更年期の症状にあわせて使ってみたい!【症状別・おすすめのハーブ&精油】
前回の記事(更年期に取り入れたい!【ハーブや精油】を使った自然の対症療法とは?)では、メディカルハーブがどのように私たちの体に届き作用するのかということと、エストロゲンに似た働きをするハーブ、精油をご紹介しました。
今回は、更年期の症状に合わせたハーブや精油をご紹介していきたいと思います。
【ホットフラッシュ】ブラックコホッシュ、ペパーミント
ホットフラッシュは、女性ホルモンであるエストロゲンの減少による自律神経の乱れが、ひとつの原因と考えられています。
ブラックコホッシュは更年期のホルモンバランスを調整する作用があり、サプリメントやチンキ(ハーブの有効成分をアルコールに抽出したもの)にまで汎用されています。
ホットフラッシュが起こってしまった場合は、火照りを抑えてくれるペパーミントの精油がおすすめです。メントールの香りでクールダウンできます。
【頭痛・肩こり】クラリセージの精油、ジャーマンカモミール
クラリセージの精油成分に含まれるリナロールは、痛みと気持ちを沈める働きに加え筋肉弛緩作用もあり、緊張からくる肩こりや全身のコリをほぐしてくれます。トリートメントオイルにまぜ、優しくマッサージしながら香りも楽しみましょう。
ジャーマンカモミールはピーターラビットの童話にも登場する、世界で最も親しまれているハーブのひとつです。心身をリラックスさせる作用があり、緊張による血流悪化の緩和が期待できます。
牛乳と相性がよく、ミルクティーとしても楽しめます。
【眠れない:途中で目が覚めてしまうタイプ】セントジョンズワート
不眠には寝つきが悪いタイプと途中で目が覚めてしまうタイプがあります。
せっかく寝られたのに途中で起きてしまうという方は、抑うつ傾向が背景にある可能性があります。
なのでこちらのタイプの方は、抗うつ作用のあるセントジョンズワートがおすすめです。
セントジョンズワートは、落ち込んだ時に明るさを取り戻させてくれるハーブとしても知られています。ハーブティで飲むのが一般的です。
【眠れない:寝つきが悪いタイプ】バレリアン、ジャーマンカモミール
こちらのタイプの方には、鎮静作用や緩和作用のあるハーブが効果的です。
不眠のハーブといえば、バレリアンと言われています。バレリアンは抑制系神経伝達物質であるGABAの受容体にアプローチして、鎮静効果を発揮します。
バレリアンは根を使用するため、単体では少し飲みにくいことがあります。味が苦手な方は、他のハーブとのブレンドティーやハーブをアルコールで抽出したチンキ剤を試してみて下さい。
頭痛、肩こりで紹介したジャーマンカモミールも鎮静作用があるので、寝る前におすすめのハーブです。
【イライラ】ローズの精油
イライラが募り、普段なら許せることも許せない、家族に八つ当たりしてしまう……そんな症状を経験している方も多いのではないでしょうか。
更年期には自律神経の乱れにより、気持ちが不安定になることがあります。そんな更年期の気持ちの浮き沈みの症状の緩和には、ローズの精油がおすすめです。
いつの時代も女性に支持されてきた「愛のエネルギー」をもつローズ。精油をお風呂に1〜2適落とし、ゆっくりと香りを味わいながら入浴するだけでも、心と体が落ち着きます。
ローズの精油は他の精油に比べて高価なので、芳香蒸留水もおすすめです。化粧水の代わりや、マスクスプレーとしても使用できます。
スプレーボトルに入れて持ち歩けば、イライラしたときにシュッと一拭きして気持ちの切り替えにもなります。
改善しない、症状が重度の場合は病院へ
いかがでしたか?更年期によくある症状別、おすすめのハーブ&精油をご紹介しました。
ただし、更年期の症状は人それぞれです。
改善しない場合や症状が重度の場合は、病院で診察を受けることを覚えておいてくださいね。
ハーブや精油を上手に使って、心も身体も健やかに更年期を過ごしましょう。
参考)
メディカルハーブ事典 レベッカジョンソン他 日経ナショナル ジオグラフィック社
木田順子 あたらしい アロマテラピー事典 高橋書店