【監修医師】有藤文香
更年期障害による肌トラブルに見舞われる女性は多く、症状が表れる部位も人それぞれですが、なかでも他人に相談しにくい箇所といえばデリケートゾーン。恥ずかしくて病院で相談することもためらってしまう、という女性もいるのではないでしょうか?
そこで、今回お話を伺ってきたのは、さまざまな婦人科トラブルを専門としている漢方内科・皮膚科クリニック「恵比寿mamaクリニック」の有藤文香先生。実際に悩みを抱える女性たちと日々向き合っている有藤先生に、デリケートゾーンのかゆみや乾燥の原因と対処法について教えていただきました。
そうですね、結構多いと思います。たとえば、頭皮のかゆみで病院にいらっしゃった方に、「ほかに気になることはありませんか?」と聞くと、「実は、最近陰部がかゆくて、においも気になっています」と最後の最後でおっしゃることがよくあります。それで詳しく話を聞いてみると、「もっと早く言ってください!」と思わず言いたくなるような症状だったりすることもあるくらいですから。
頭皮のかゆみは相談しやすくても、陰部のかゆみに関しては話しにくいことではあるので、気になっていてもなかなか打ち明けられないというのはよくわかります。ただ、更年期以降にそういった症状が出ることはよくあるので、放っておかずにすぐ病院で相談することをオススメします。
まず考えられるのは、老化や老廃物が体に溜まっているということ。あとは、乾燥が原因でにおいがきつくなる場合もありますね。
ウイルス性のものだったり、膣のなかに問題があったりする場合は、婦人科に行っていただかないといけないですが、パンティラインなどの表面的な部分であれば、皮膚科でも問題ありません。あと、漢方内科ではどちらの症状でも診ることが可能です。
ただ、ウイルス性かどうかの判断をご自分でするのは難しいと思います。かゆみに大きな違いがあるわけではなく、病院でも顕微鏡を見て判断しているほどですから。なので、症状が出ているようであれば、ちゃんと検査して調べていただくのがいいかなと思います。
患部の状態にもよりますが、感染症の場合には、原因菌に対する抗生剤を用いた治療が行われます。また、かゆみが強い場合やアレルギー性のかゆみの場合は、ステロイドの軟膏や抗ヒスタミン薬の処方や外用薬による治療が行われる場合もあります。
もし、かゆみやかぶれ、おりものの量が増えたり、匂いが強い、発疹や発熱がある場合は早めに診察を受けるようにしてください。
そうなんですよね。「よくここまで我慢しましたね」とお声をかけてしまうことがあるくらい、だいぶひどくなってからいらっしゃる方が結構多いので……。そういう方のなかには、「市販の陰部用かゆみ止めクリームなどを塗ったけど効かなかった」というケースがよくありますが、できれば最初から病院できちんと診てもらって、それぞれの症状に効くものを使っていただきたいです。
というのも、市販のクリームが合わなかったり、間違ったものを使ったりして、逆に悪化してしまう場合もありますから。そういうことがないようにするためにも、早めに病院へ行っていただくのが一番です。
いまはデリケートゾーン専用のソープもたくさん種類が出ているので、まずはそういったものを使っていただき、しっかりと保湿を心がけること。あとは、漢方を一緒に服用していただくのもオススメです。
においがきつくなる原因について、漢方では老廃物を意味する「湿」と「熱」によるものだと言われています。その2つが溜まりやすい体の環境で考えられるのは、お酒と甘いもの。それから油っぽい料理です。なので、暴飲暴食をしないように気をつけていただきたいですね。
あと、最近はプロテインを飲んでいる方も増えていますが、タンパク質が変性してそれがにおいに繋がることもあるので、過剰に摂りすぎていないかも注意していただけたらと。デリケートゾーンを清潔にするというのが大前提ですが、口にするものも意識していただきたいなと思います。
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