男性更年期障害になりやすい人は?特徴や症状を和らげるための5つの生活習慣

40代以降の男性の中には「最近疲れが取れない」「やる気が出ない」「急にイライラする」と不調を感じる人もいるのではないでしょうか。男性更年期障害は誰にでも起こる可能性がありますが、なりやすい人にはいくつかの特徴が挙げられます。
この記事では、男性更年期障害になりやすい人の特徴や、症状を和らげるためのセルフケアをご紹介します。
男性更年期障害とは?
男性更年期障害とは、加齢に伴う男性ホルモン(テストロゲン)の低下が原因で起こる心身の不調で、「LOH(加齢男性性腺機能低下)症候群」とも呼ばれています。1)
主な特徴として、以下のような点が挙げられます。
- 一般的に40代以降から増加する
- 身体面だけでなく精神面にも影響を及ぼす
- 症状の現れ方は個人差が大きい

男性更年期障害は、女性の更年期のように閉経という明確な節目がありません。そのため、気づかないうちに症状が進行してしまうケースも見られます。
男性更年期障害になりやすい人の6つの特徴
男性更年期障害になりやすい人の特徴として、以下のような項目が挙げられます。

- 真面目で責任感が強い完璧主義の人
- 睡眠不足が続いている人
- 運動不足の人
- メタボリックシンドロームなど肥満傾向の人
- 栄養バランスの偏った食事をしている人
- ストレスを抱えている人
40代から50代は仕事の責任が増し、家庭環境の変化も重なりやすいため、心身に大きな負荷がかかる時期です。男性更年期障害は誰にでも起こるリスクはありますが、特に発症を招きやすい要因について解説します。
真面目で責任感が強い完璧主義の人
真面目で責任感が強い完璧主義の人は、精神的なストレスを溜め込みやすい傾向があります。
仕事に熱心なあまり、周囲からの期待にすべて応えようと無理を重ねてしまうのが主な背景です。過度なストレスが蓄積されると、脳の視床下部に影響が及び、テストステロンの分泌を妨げる要因の1つとなります。
睡眠不足が続いている人
睡眠不足が続いている人はテストステロンが低下しやすく、男性更年期障害になりやすい人の特徴にあてはまります。
テストステロンは睡眠中に多く作られるため、寝不足が続くとホルモンの分泌量が減少してしまい、不調を招きやすくなるリスクもあります。
運動不足の人
日常的に運動不足が続いている男性も、筋肉への刺激が減ってテストステロンの低下を招きやすいため、男性更年期障害のリスクが高い傾向にあります。
テストステロンの量と体全体の筋肉量や筋力には深い結びつきがあります。2)体を動かす機会が少ないライフスタイルは、筋肉の衰えを進めるだけでなく、ホルモンの分泌自体を低下させる要因になりかねません。
メタボリックシンドロームなど肥満傾向の人
メタボリックシンドロームをはじめとする肥満傾向にある男性も、男性更年期障害のリスクが高い傾向にあります。
内臓脂肪型肥満やインスリン抵抗性を背景に、高血圧、糖代謝異常、脂質代謝異常といったリスク因子が重なる状態がメタボリックシンドロームです。
こうした肥満や代謝の異常は、男性のテストステロン低下と深く関連しているとされており、ホルモンバランスを崩す要因の1つとなります。
栄養バランスの偏った食事をしている人
栄養バランスの偏った食生活を続けている男性も、テストステロンの分泌に必要な栄養素が不足しやすいため、男性更年期障害につながりかねません。
たとえば、極端な糖質制限や、インスタント食品・お惣菜といった加工食品中心の食事は、体内の亜鉛吸収を妨げる要因の1つです。ミネラルの一種である亜鉛は、男性ホルモンの生成に深く関わっているため、不足するとテストステロンの低下につながる可能性があります。
ストレスを抱えている人
日常的に強いストレスを抱えている男性も、自律神経やホルモンバランスが乱れやすいため、男性更年期障害のリスクが高い傾向にあります。
昇進によるプレッシャーや退職後の喪失感など、急激な環境の変化は自律神経の乱れにつながります。
特に「周囲に弱音を吐けない」「愚痴を言えない」といった男性は、ストレスを発散しにくくホルモン低下のリスクが高いといえるでしょう。
男性更年期障害でイライラする人は、以下の記事も参考にしてください。
あわせて読みたい:40代・50代男性のイライラは更年期障害かも?原因と対処法・受診の目安を解説

これって男性更年期?自分でできる症状セルフチェック
「最近なんとなく体調が優れない」と感じる場合、それが男性更年期障害によるものかを見極める目安として、客観的なセルフチェックを行うことが有効です。
男性更年期障害の自己診断ツールとして、医療機関でも広く活用されているのが「AMSスコア(加齢男性症状質問票)」です。2)3)
このテストは、精神的・身体的・性的な不調に関する計17の質問項目に対し、5段階(なし:1点、軽い:2点、中等度:3点、重い:4点、非常に重い:5点)で回答し、その合計点数で状態を評価します。
【AMSスコア質問項目】
- 総合的に調子が思わしくない
- 関節や筋肉の痛みがある
- ひどい発汗がある
- 睡眠の悩みがある
- よく眠くなる
- いらいらする
- 神経質になった
- 不安感がある
- 体の疲労や行動力の減退がある
- 筋力の低下がある
- 憂うつな気分だ
- 「絶頂期は過ぎた」と感じる
- 力尽きた、どん底にいると感じる
- ひげの伸びが遅くなった
- 性的能力の低下がある
- 早朝勃起(朝立ち)の回数の減少
- 性欲の低下がある
【判定基準】
- 27~36点:軽度
- 37~49点:中等度
- 50点以上:重度
当てはまる自覚症状が多い場合は、年齢のせいにせず、体が発しているサインとして受け止めましょう。
男性更年期障害の症状を和らげる5つの生活習慣
テストステロンの減少は、過度なストレスや慢性的な睡眠不足など、日常生活の乱れによる影響を受けます。そのため、男性更年期障害の諸症状を和らげるには、日々の生活習慣を見直すことが大切です。1)
ここからは、具体的なセルフケアのポイントを解説します。

テストステロンの分泌を促す「食事」を意識する
テストステロンの分泌を促し、男性更年期障害の症状を和らげるためには、毎日の食事内容を見直して栄養バランスを整えることが大切です。
筋肉やホルモンの原料となるタンパク質、男性ホルモンの生成に関わる亜鉛やマグネシウムといったミネラル類、ビタミンDなどを毎食しっかり摂取するよう意識しましょう。
良質な睡眠を確保する
ホルモンバランスを整えるために、夜間に十分な睡眠時間を確保するライフスタイルを意識しましょう。
テストステロンは睡眠中に多く作られるため、眠りの質を高める工夫が求められます。就寝前のスマートフォン使用を控え、部屋をできるだけ暗くして眠る環境を整えると、寝つきが良くなることが期待できます。
無理のない範囲で適度な運動を取り入れる
男性更年期障害の症状を和らげるために、無理のない範囲で適度な運動を取り入れるのも有効です。
筋力トレーニングなどの適度な運動は、テストステロンの分泌を促すとされます。週に数回、30分程度のウォーキングや軽いスクワットなど、体に過度な負担をかけないメニューから開始するアプローチが、無理なく継続するためのポイントです。
筋トレに関しては、以下の記事も参考にしてください。
あわせて読みたい:大殿筋などの筋トレでテストステロン上昇!筋トレのメリットとは

趣味や人との交流で「ストレス」を解消する
日頃から趣味や人との交流を通じて気分転換を図ることで、心身の緊張を緩め、男性更年期障害の症状を和らげる効果が期待できます。
自分の好きなことに没頭する時間は、脳の緊張を和らげ、活力を取り戻せるでしょう。家族や友人以外に、趣味のコミュニティなどで「第三の居場所」を持つことも有効です。
定期的に健康診断を受ける
定期的に健康診断や、前立腺腫瘍マーカー検査(PSA検査)を受け、健康管理を意識しましょう。
男性更年期障害の不調の裏には、生活習慣病などの別の病気が隠れている可能性も否定できません。定期的に検査を受けることで、他の疾患のリスクを排除したり、加齢に伴う変化に対応しやすくなるでしょう。
男性更年期障害は一人で抱え込まず、つらいときは受診しよう

男性更年期障害は、40代以降の男性であれば、誰もが経験する可能性がある体調の変化です。
もし「なりやすい人」の特徴に心当たりがあったとしても、日々の生活習慣を見直すアプローチによって、症状を和らげられる可能性は十分にあります。1)とはいえ、ライフスタイルを改善しても疲れやイライラが治まらず、日常生活に支障が出るほどつらい場合は、一人で抱え込まずに専門医による適切な判断が必要です。
主な受診先は「泌尿器科」「メンズヘルス外来」ですが、症状によっては内科や心療内科、精神科、整形外科でも対応可能です。
専門家の力を借りながら、年齢に伴う心身の変化と上手に付き合っていきましょう。
あわせて読みたい:男性力、足りてる?誰にも知られず男性ホルモン検査│MENOPOCHECK

参照元
1)一般社団法人日本内分泌学会|男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)






