【秋バテ対策】夏に減った貯蔵栄養素をチャージする食事

「涼しくなってきたのに、カラダがだるいまま」
こうした不調は、もしかしたら秋バテかもしれません。
暑さや冷房にさらされた夏は、思っている以上にカラダの栄養が消耗しています。特にミネラルやビタミンB群は汗や代謝によって失われやすく、秋に不調を感じる原因のひとつとされてます。さらに夏の食欲低下や冷たいものの摂りすぎで胃腸が疲れている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、秋バテ対策として「貯蔵栄養素」をしっかりチャージする食事のポイントをご紹介します。
秋バテの症状とは?
秋バテは、夏の疲れが抜けないまま季節の変化で体調が乱れる状態を指します。
代表的な症状には、
- 倦怠感(カラダがだるい・重い)
- 頭痛
- 肩こり
- 食欲不振、胃もたれ
- 寝つきが悪い、眠りが浅い
- めまい・立ちくらみ
- 気分の落ち込み
などがあります。
夏の疲労と秋の気候変化が重なって起こるため、放っておくと冬の体調不良にもつながりやすいのが特徴です。
秋バテの原因は夏に消耗した「貯蔵栄養素」
夏は汗とともに多くの栄養素が失われ、カラダの“栄養ストック”が不足します。
特に以下の栄養素が秋バテの背景に関わっています。
●ミネラル(カリウム・マグネシウムなど)
カリウムは体内の水分バランスを保ち、むくみ予防にも役立ちます。マグネシウムは筋肉の働きや神経の安定に欠かせません。汗で流れやすいため、夏以降は不足しがちです。
●ビタミンB群
糖質や脂質をエネルギーに変える「代謝のサポーター」。不足すると「疲れが取れにくい」「だるい」などの症状に直結します。豚肉、大豆製品、卵などを積極的に摂取しましょう。
ビタミンB群やミネラルはカラダに貯めておけない栄養素です。1回で大量に摂るのではなく、毎日の食事に少しずつ取り入れることが大切です。
秋は寒暖差による自律神経の乱れにも注意
秋は一日の気温差が大きく、自律神経がフル稼働する時期です。
- 朝晩は冷え込むのに、日中はまだ暑い → 体温調整でエネルギー消耗
- 自律神経の乱れ → だるさ、不眠、集中力低下につながる
このように気候の変化によって自律神経が乱れやすい秋は、栄養不足が重なると悪循環に陥りやすい季節なのです。
食事からの栄養補給に加え、規則正しい生活リズムや軽い運動も組み合わせると、自律神経の安定につながります。
秋バテ対策➀|胃腸の疲れをリセットする食材
夏に酷使した胃腸を回復させることは、栄養吸収をスムーズにし、体調を立て直す第一歩です。以下のような食材を積極的に取り、胃腸の疲れをリセットしましょう。
- 山芋
消化酵素アミラーゼを含み、弱った胃をサポートします。とろろご飯やお味噌汁に加えるのもおすすめ。 - かぼちゃ
β-カロテンで免疫力を支え、ビタミンEの働きにより血流改善にも効果が期待できます。甘みがあるのでスープや煮物に使いやすい食材です。 - 鮭
消化がよく、良質なたんぱく質が疲労回復をサポートします。さらにDHA・EPAといったオメガ3系脂肪酸は血流や脳の働きを助けます。焼き魚だけでなく、クリーム煮やスープにして胃にやさしく摂るのもおすすめです。
秋バテ対策➁|夏に減った栄養をチャージする食事
夏に汗とともに減ってしまった栄養素を、秋は意識して補給したいもの。無理なく続けられる「ちょい足し習慣」で栄養の貯金をしてみてください。
【主食】
白米を雑穀米や玄米に変えると、食物繊維・マグネシウム・鉄分もプラス。腸内環境の改善にも役立ちます。
【汁物】
毎日の味噌汁に、わかめ・しめじ・豆腐を加えるだけでミネラルやたんぱく質が補給できます。
【間食・おやつ】
お菓子の代わりにナッツやヨーグルト、ゆで卵などを選ぶと、栄養補給と満足感が両立できます。
【発酵食品】
納豆、キムチ、ぬか漬けなどで腸内環境を整えると、栄養の吸収率がアップ。胃腸のリセットにもつながります。
「栄養の貯金」で秋バテの不調を防ぎましょう
夏に消耗した栄養を補い、胃腸を整えることが秋バテ対策の基本です。
- 夏に減った栄養をチャージして体の“貯蔵庫”を満たす
- 寒暖差や自律神経の乱れに備える
- 発酵食品や旬の食材を取り入れ、体調を整える
- 冬に備えて「栄養の貯金」をスタートする
毎日のちょっとした食の工夫が、秋を軽やかに過ごすカギになります。今から始めて、冬を元気に迎えましょう。
出典
- 厚生労働省「e-ヘルスネット」栄養・食生活関連情報
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b1.html
- 日本人の食事摂取基準(2025年版)