更年期に基礎体温は必要?閉経との関係も解説

更年期は女性ホルモンの変動によって、体や心の変化が次々と押し寄せてきます。この不安定な時期に「基礎体温を測るべき?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
実は更年期の基礎体温は、閉経に向かう体の変化を知る重要な手がかりになります。
この記事では、更年期に基礎体温を測るメリットと、基礎体温から分かる閉経との関係について解説します。
そもそも基礎体温とは?
基礎体温とは、朝目覚めてすぐ、体を動かす前に測る体温のこと。 この体温は女性ホルモンの影響を大きく受けるため、月経周期に合わせて変化するのが特徴です。
基礎体温の測り方は簡単です。毎朝、起床時に体を動かす前に、舌の下で3分から5分程度測定します。
通常の体温計よりも小数点以下の数字が正確に読める、基礎体温計を使いましょう。
毎日同じ条件で測定し、記録することが大切です。基礎体温表やアプリを活用すると、変化がわかりやすくなります。
基礎体温を記録していくと、低温期と高温期の2つの期間に分かれていることに気づきます。低温期は、月経開始から排卵までの期間で、比較的体温が低く安定しています。一方、排卵後から次の月経開始までの期間は高温期と呼ばれ、体温が上昇します。
この体温の変化は、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌量の変化によって起こります。基礎体温表をつけることで、自分のホルモンバランスや体のリズムを知ることができるのです。
高温期が続かない!?ガタガタ!?更年期の基礎体温グラフ
20代、30代の頃は規則正しかった基礎体温も、更年期に入ると変化が現れます。これは主に卵巣機能の低下により、排卵が不規則になるためです。更年期の基礎体温の特徴は以下の通りです。
- 高温期と低温期の差が小さくなる
- 全体的に不規則なパターンになる
- 高温期が短くなる
- 低温期と高温期に分かれていない無排卵周期が増える
結果として、更年期の基礎体温グラフは「ガタガタ」と表現されるほど不規則になることが多いです。
更年期の月経変化と基礎体温
一般的に、女性の基礎体温は低温期と高温期に分かれており、排卵日を境に体温が上昇し、体温が下がる低温期になると月経が始まります。更年期を迎えると、この基礎体温と月経の関係にも変化が生じます。
40代前半:更年期直前
- 月経周期が徐々に短くなる
- 経血量が増えたり減ったりする
- 基礎体温の高温期が短くなり始める
この時期は卵巣機能がまだ比較的保たれているため、基礎体温はおおむね規則正しく推移します。しかし、エストロゲン分泌量の減少により、月経周期の変動や高温期の短縮といった変化が現れ始めます。
40代後半:更年期スタート
- 月経周期が乱れる
- 経血量が極端に減ったり、逆に増えたりする
- 基礎体温がガタガタになり、高温期と低温期の区別が曖昧になる
卵巣機能の低下が加速し、排卵が不規則になったり、無排卵になることが増えます。その結果、基礎体温は乱高下し、高温期が短くなったり、高温期自体がなくなったりすることもあります。こうした影響を受けて、月経血の量も不安定になります。
50歳~:閉経前後
- 数ヶ月間月経が来ない状態が続く
- 基礎体温が低温期で安定する
閉経に近づくにつれ、卵巣機能はほぼ停止し、排卵も起こらなくなります。その結果、基礎体温は低温期で安定し、月経も自然と訪れなくなります。


更年期も基礎体温は測るべき?メリットは?
更年期においても基礎体温を測ることは、多くのメリットがあります。
- 更年期症状や体調の管理に役立つ
更年期は、ホルモンバランスの変動により、さまざまな不調が現れやすい時期です。基礎体温を記録することで、更年期症状や体調の把握に役立ちます。
- 受診時の情報になる
基礎体温のデータは婦人科受診時の客観的な情報源となります。医師に自分の状態をより正確に伝えることができ、適切な診断や治療に繋がる可能性が高まります。
- 妊娠の可能性に気づける
更年期に入ると妊娠の可能性は低くなりますが、閉経を迎えるまでは完全にゼロではありません。もし妊娠を希望している場合、基礎体温の変化は貴重な情報となります。逆に、予期せぬ妊娠を避けたい場合でも、基礎体温を把握しておくことは重要です。
これらのメリットから、更年期においても基礎体温を継続的に測定し記録することは、健康維持に大いに役立つと言えます。
更年期こそ基礎体温!変化をキャッチ
基礎体温の測定は、更年期においても多くのメリットがあり、体の変化を理解するための重要な手段であることをお伝えしました。
更年期は体の変化に戸惑いを感じたり、不安になることもあるかもしれません。しかし、基礎体温を測り続けることで、体のリズムやホルモンの変化を把握し、体調の変化を予測することができます。
前向きに更年期と付き合っていくために、ぜひ基礎体温計を活用してみてはいかがでしょうか。