「暑さに弱いのは更年期のせい?」40代・50代の夏バテ対策
年齢を重ねるごとに、夏の暑さが一層こたえると感じることはありませんか?
特に更年期世代の女性は、エストロゲンの減少により自律神経が不安定になり、ホットフラッシュや疲れやすさが生じます。これが夏の暑さと相まって、体調不良がさらに強く感じられることがあります。
この記事では、夏バテと更年期症状の共通点と、その対策について詳しく説明します。
「ひどいだるさ」夏バテの原因は?
夏バテとは、夏の高温多湿な環境により自律神経のバランスが乱れ、体調不良を引き起こす状態を指します。夏バテの主な原因は以下の通りです。
- 暑さ
暑さと湿度の高さが体に大きな負担をかけ、体温調節機能を低下させます。これにより、体が熱を放出できず、だるさや疲労感が増します。 - 温度差
冷房の効いた室内と外気温の差が大きいと、自律神経が体温調節のために酷使されます。その結果、倦怠感や疲労感、睡眠障害などの症状が現れることがあります。 - 体内の水分・ミネラル不足
暑い環境下で汗をかくと、体内の水分と共にミネラルが失われます。これにより、体内の水分バランスが崩れ、血液の循環が悪くなり、だるさが生じます。 - 栄養不足
暑さによる食欲減退や、麺類や飲み物に偏った食事により、タンパク質やビタミン類が不足することで、体調不良や免疫力の低下を招くことがあります。 - 睡眠不足
熱帯夜などで十分な睡眠が取れないと、体力回復が不十分になり、自律神経のバランスが乱れます。連日の睡眠不足は、慢性的なだるさを引き起こします。
これらの原因が重なると「ひどいだるさ」などの症状を感じるようになります。夏バテの症状は、全身の倦怠感、食欲不振、睡眠不足、思考力低下、頭痛、発熱、めまいなどが挙げられます。
更年期になると夏がつらいのはなぜ?
更年期世代の女性は、以下のような理由から夏の暑さを一層つらいと感じることがあります。
- ホルモンバランスの変化
更年期では、エストロゲンの分泌量が急激に低下し、体がこの変化に対応しきれません。これにより自律神経の乱れが生じ、体温調節機能が低下し、暑さに対する耐性が弱まります。 - 代謝の低下
年齢とともに基礎代謝が低下します。代謝が低下すると体温調節がうまくいかなくなり、暑さを感じやすくなります。基礎代謝の低下は、血流の悪化や体重の増加を招き、体が重く感じる原因となります。 - 発汗量の変化
ホルモンの変化は汗腺の働きにも影響を与えます。更年期には汗をかきにくくなる一方で、急に大量の汗をかくホットフラッシュが起こることもあります。これが体温調節を困難にし、暑さに対する耐性を弱めます。 - 睡眠の質の低下
更年期に伴うホルモンバランスの乱れから、不眠や睡眠の質の低下が生じることがあります。これにより、体の回復が不十分になり、日中の疲労感が増します。疲れが取れにくくなることで、暑さに対する耐性も低下します。 - ストレスと精神的負担
更年期には、身体的な変化に加えて精神的なストレスも増えることがあります。ストレスは自律神経を乱し、体の調整機能を低下させるため、暑さに弱くなる一因となります。
更年期にはこれらの要因が相互に作用し、今まで以上に夏の暑さがつらいと感じる女性が増えます。しかし適切な対策を講じることで、暑さに負けずに過ごすことが可能です。
【ホットフラッシュ・倦怠感・疲れやすい】更年期症状との共通点
夏バテも更年期症状も「倦怠感」「疲れやすい」といった共通の症状がありますが、その原因はどちらも自律神経の乱れにあります。
自律神経は、体温調節、発汗、心拍数、消化など、体のバランスを保つために重要な役割を果たしています。これがうまく機能しないと、全身にさまざまな不調が現れます。
夏バテや更年期の症状を軽減するためには、自律神経を整える対策が効果的です。
ホットフラッシュと夏の汗の違いは?
ホットフラッシュは更年期のホルモン変化による急な発汗とほてりが特徴です。一方、夏の汗は外気温や運動による自然な体温調節のための発汗です。
ホットフラッシュと夏の汗は、原因や対策が異なります。自分の体の反応をよく観察し、それぞれに合った対処をすることが大切です。
ホットフラッシュ | 夏の汗 | |
原因 | ホルモンバランスの変化 | 外気温や湿度、運動 |
持続時間 | 数分間の短時間で発生し、急に収まる | 外気温が高い間、継続的に発生する |
感覚 | 突然の強烈な熱感と大量の発汗が特徴 | 徐々に汗をかき、体が暑さに適応しようとする |
身体的な反応 | 心拍数の上昇や顔の赤み、急な寒気を伴うことがある | 主に体温を下げるための自然な反応 |
対策 | ホルモン補充療法や、冷たいタオルを使った冷却、リラックスするための深呼吸や瞑想 | 涼しい場所で休むことや、適度な水分補給、通気性の良い衣服を着る、直射日光を避ける、など |
《夏バテ&更年期症状》一石二鳥の対策
夏バテも更年期症状も「自律神経の乱れ」という共通の原因によって起こるため、実は対策も共通しているのです。一石二鳥の【夏バテ&更年期症状対策】をご紹介します。
冷やしすぎは要注意!上手な体温調節サポート
夏場は冷房の使い過ぎに注意しましょう。冷房の設定温度は28度前後が理想です。外気温との差を5〜6度以内に抑えると、体への負担が軽減します。
外出時は帽子や日傘を活用し、冷たい飲み物より常温の水やお茶を選ぶことで、急激な体温変化を避けられ、自律神経のバランスを保ちやすくなります。
夏でもぬるめの湯船に浸かる
夏でも38~40度のぬるめの湯船にゆっくり浸かることで、副交感神経が優位となり、心身がリラックスします。また、お風呂に入ることで汗腺が開き、体内の熱を効果的に発散できます。
スタミナ=肉じゃない!夏に必要な栄養素とは?
自律神経を整えるためには、栄養バランスの取れた食事が欠かせません。スタミナをつけるためには、必ずしも肉だけではなく、野菜や魚なども取り入れることが大切です。
ビタミンB群(豚肉、魚、卵)、ビタミンC(野菜や果物)、ミネラル(海藻、ナッツ)、そして水分補給を意識しましょう。
漢方で気力・体力UP
漢方薬は、体質改善に役立ちます。例えば、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)は気力や体力の低下を補い、夏バテや更年期症状の改善に効果的です。専門家に相談し、自分に合った漢方を取り入れましょう。
これらの対策を講じることで、更年期による暑さやだるさの改善が期待できます。とくに、閉経前後の2年間は更年期でもっともつらい時期と言われていますが、自分に合う対策を見つけて、暑さに負けない体づくりを心がけましょう。
カラダを整えて暑さに負けない夏を
この記事では、夏バテと更年期症状は共に「自律神経の乱れ」が主な原因であり、症状を軽減するためには自律神経を整えることが効果的であるとお伝えしました。
夏の暑さや更年期のホルモン変動は自律神経に大きな負担をかけ、夏バテや更年期特有の症状を引き起こします。適切な対策を講じることでこれらの症状を軽減し、夏を元気に過ごすことが可能です。
ご紹介した対策を日常に取り入れて、暑さに負けない元気な毎日を過ごしましょう。