漢方薬剤師が解説!更年期に摂取を注意すべき食材と薬とは?

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更年期を少しでも快適に過ごすために、運動や食生活など、いろんなことに気を配って生活している人も多いのではないでしょうか? とはいえ、いまいちスッキリしない日が続くと、「本当に正しい方法なのかな」「果たして効果があるのかな」と不安に思ってしまうこともあると思います。 

そこで、今回お話を伺ってきたのは、漢方内科・皮膚科クリニック「恵比寿mamaクリニック」の有藤文香先生。さまざまな症状を訴える女性たちの悩みを解決している有藤先生に、更年期に注意すべき食材や薬などについて教えていただきました。

目次

Q.更年期の女性が、あまり摂取しないほうがいいものはありますか?

いくつかありますね。たとえば更年期で肩こりがひどい方に多いのが、病院で葛根湯を処方されている場合。葛根湯は風邪や肩こり、頭痛といった症状に効果はありますが、同時に乾燥を引き起こしてしまいます

つまり、更年期障害が出ている女性が葛根湯を摂取すると、余計にホットフラッシュが起き、喉やお肌の乾燥が進んでしまうということなんです。私たちのように漢方を専門に扱っている立場からすると当たり前のことでも、効果効能だけを見て処方し、実は体質に合っていないという場合もあります。ご自身で薬局に行かれる際も、パッケージに「肩こり」と書かれていたら、選んでしまいがちですよね?

でも、そういった副作用が出る場合があるので、漢方を飲まれたい場合は、通常の内科に行ったり、市販のものを選んだりするのではなく、なるべく漢方内科に行き、体質や症状を見たうえで処方していだたける病院をオススメします。

Q.自分に合っていないかどうか、どのように判断すればよいでしょうか?

まずは、一旦飲むのをやめてみてください。上記の症例でいうと、慢性化している肩こりで2~3か月ほど葛根湯を飲んでいた方が、飲むのをやめただけでホットフラッシュは落ち着きました。漢方だと副作用は起きないイメージがあるかもしれませんが、体質に合っていないものを飲むと、そういうことも起きる可能性はあります。

Q.ちなみに、葛根湯以外に更年期の肩こりに効く漢方もあるのでしょうか?

そういう方には、血流を改善してくれる「冠元顆粒(かんげんかりゅう)」という漢方があります。滞っている血流を流して痛みを取ってくれるので、しこりを散らしてくれる効果があります。

Q.そのほかにも、更年期と相性のよくない薬があれば、教えてください。

花粉症やアレルギー性鼻炎に効果のある「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」という漢方も、ホットフラッシュを併発している方がわりと多いですね。いろんな生薬がありますが、更年期のときは体を温める発散性のものは避けたほうがいいと思います。

Q.漢方だけでなく、食材でも気を付けたほうがいいものはありますか?

たとえば、ショウガも摂り方によっては、ひどくなる場合もあるので、量には気を付けていただきたいですね。1日の摂取量としては、スライスなら5枚くらい、ティースプーンなら1杯くらいを目安にしてください。

あとは、カプサイシンも同じことが言えるので、キムチなどの辛いものも食べすぎないでいただきたい食材です。体にいいと思って食べているものでも、体質によっては、皮膚の乾燥やかゆみを悪化させることにつながる場合もあるので、この機会にぜひ食生活も見直してみてください。

Q.サプリメントなどでも、注意したほうがいいものがあれば、教えてください。

ここ最近増えているものとしては、プロテインの過剰摂取。ちょうどいま流行っていることもあり、プロテインを飲まれている方が多いのですが、量を摂りすぎていることにより、発疹の原因となっているケースを皮膚科の患者さんでよく見かけます。タンパク質を摂りすぎると、それが脂肪に代わり、発疹として出てしまうことがありますからね。。

なので、お酒も飲まず、健康的な食生活を送っているのに原因不明の発疹が出たり、陰部のかゆみがあったりする方には、「プロテインを飲んでますか?」と聞くようにしています。そうすると、だいたい「1日に何回か飲んでます」という答えが返ってくることが多いんです。動物性、植物性、豆乳といったものすべてを含めて、タンパク質を摂りすぎていないかをみなさんも確認してみてください

もちろんまったく摂らないのもよくないので、あくまでもバランスが大事。体質や体形によっても大丈夫な量は違うので、症状を見ながら、量を調整するのがいいと思います。

お話をうかがった先生

監修

有藤文香

薬剤師
国際中医師,国際中医薬膳管理師
中医アロマセラピスト
株式会社Xiang代表

星薬科大学卒業後、製薬会社でMRとして勤めるが、予防医学の重要性を再確認して退社。渡英して東洋医学を取り入れたアロマセラピー代替医療を学ぶ。帰国後、漢方とアロマセラピーを融合させた「中医アロマセラピー」を体系化。ママと家族のための漢方内科・皮膚科クリニック「恵比寿mamaクリニック」を併設させた総合サロン『Xiang中医アロマ&漢方サロン』を設立。クリニックでは漢方相談を担当し、婦人科トラブルを専門としている。

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