「肌荒れの原因はストレスのせい」「肌を治したければ仕事を辞めなさい」 と医師から言われた女性の話

記事更新日: 2020/11/07 TRULY編集部

【薬剤師】岡下真弓

  • スキのない女性が流した涙の理由

    薬局には似つかわしくないハイブランドのバッグ、仕立ての良いスーツに身を包んだ美しい40代後半の女性。薬局に来られた当初は「仕事があるから早くして欲しい」と会話を遮断し、早々に会計を済ませる方でした。

    待合室の奥で話していた電話の内容より、会社では責任ある立場の方だと推測できました。ところがある日、トーンダウンした様子でカウンターに来られたのです。薬の説明をしている間も、終始うつむいたまま。なんだかいつもの様子と少し違っていました。

    すると突然彼女は涙を流しながらこう話し始めます。

    「どうしていつまでたっても肌が良くならないのか医師に確認したら、ストレスのせいだから、仕事を辞めないと治らないと言われました。私は仕事を辞めたくないのです。でも肌も綺麗になりたいのです。どうしたらいいのですか?これよりもっと良い薬があるならば教えてください。」


  • 肌の調子が良くならないのは仕事だけのせい?

    私はだまってうなずいたまま彼女の言葉をじっと聞き、そしてこう答えました。

    「確かにストレスの影響で肌の状態が悪くなることがあります。

    しかし原因はストレスだけではないかもしれません。食生活や日頃の生活習慣を見直す良い機会です。美しくなりたい気持ちを大切にしていきましょう。

    私と一緒に見直してみませんか。そのためにはまず、ホルモンバランスを整えることが大切です。」


    そして私は、お仕事中心の生活から、生活習慣を見直した質の高い日々の過ごし方をご提案し、ホルモンバランスと肌の関係もお伝えしました。


  • 女性の体をコントロールする2つのホルモンとは

    女性は1ヶ月の間に排卵日を境に二つのホルモンが大きく変化します。月経から排卵日までエストロゲンが優位になり、排卵日以降はプロゲステロンが優位になります。

    エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は皮膚に対する影響も異なります。


  • エストロゲンは皮下脂肪をたくわえ、丸みをおびた女性らしい体つきにします。また皮膚のハリや弾力を保ち、髪の毛の成長も促します。

    さらにエストロゲンは皮膚のきめを細かくし、角質バリア機能改善、コラーゲンを増やし保湿成分も保ちます。よってエストロゲンの分泌が盛んな時期の女性は最も美しい期間と言われています。


    一方プロゲステロンは皮脂の分泌を促進するため、皮脂がベタベタしやすく、敏感肌・にきびができやすくなります。

    つまり厳密にいうと、女性はいつも同じ状態の皮膚であることは困難なのです。


  • エストロゲンと皮膚の関係

    なぜエストロゲンは皮膚に対してこのような素晴らしい効果を与えるのでしょうか。

    その理由は、皮膚にはエストロゲン受容体(化学物質や外部環境の変動などの信号を受け取り、感知するところ)が存在すると確認されているからです。エストロゲンは皮膚に対して角質細胞の表面積を最適な状態にします。

    皮膚の厚さ・しわ・保湿に関与し、加齢に伴う皮膚の変化を予防する効果もあります。


    しかし加齢やストレスによるエストロゲンの減少は、肌の乾燥、皮膚のかゆみを生じやすくします。

    更年期に入ると急激にエストロゲン分泌が減少するため、皮膚の乾燥・皮膚の萎縮・皮膚の強度や弾力性の低下・腋毛・恥毛の減少・剛毛から軟毛への変化を感じやすくなるのです。

    また目に見えてわかる症状であるため、喪失感を感じる方がとても多いのも特徴です。


  • 乾きの悩みはドライシンドロームかも

    若いうちから乾燥に悩まされる女性は少なくありませんが、彼女のように更年期に入ると、急激に乾きを感じる女性が増えてきます。しかし乾きの悩みはドライシンドロームが原因とも言われています。


  • 第27回日本女性医学学会で発表された内容ですが、インターネット・リサーチシステムを用いて行ったアンケート調査のうち、女性310名についてのデータを解析したところ、 約55%が眼、鼻腔、口腔、腟、皮膚のうち、2ヵ所以上に乾燥感を感じると回答したというデータがあります。

    また腟の乾燥感がある方の61.9%が、眼、鼻腔、口腔、腟、皮膚の5ヵ所すべてに 乾燥があると回答していました。乾燥は1か所だけにおさまらず、他の部位の乾燥感も併発している可能が高いと発表されています。


  • 「ドライシンドローム」は、主に下記の4つの症状に分けられます。

  • 1.ドライスキン(肌の乾燥)

  • 2.ドライアイ(目の乾燥)

  • 3.ドライマウス(口内の乾燥

  • 4.ドライバジャイナ(腟の乾燥)


  • これらの4つの症状を訴える女性のお話しは、また改めてお伝えすることとしましょう。


  • 乾燥対策に、薬膳のすすめ

    中医学の世界では、晩秋の11月から12月には乾燥に注意してすごしましょうと説かれています。

    この時期には多くの人が皮膚や毛髪の乾燥、寒気を感じるようになりますよね。

    この季節に好んで食べると良いと言われる食材は、体の内側から潤す食べ物です。

    日頃からメニューを決める際、意識して食材を選びましょう。大根・ジャガイモ・里芋・ネギ・玉ねぎなどがおすすめです。これらの野菜を使ったショウガを入れたスープは、体も温まりこれからの季節に良いでしょう。

    ぜひお試しくださいね。





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【薬剤師】岡下真弓

フリーランス薬剤師。JAAアロマコーディネーター協会認定講師。化粧品メーカー研究開発や薬剤師の知識を生かし、女性の健康と美容をテーマにした講演活動を行っています。 歳を重ねるにつれ、衰えや失われていくものはあります。また更年期世代は仕事で負う責任が大きくなり、後ろ向きな気持ちになりがちです。私は人の美しさとは、その人の生き方次第で変えることが出来ると多くの患者様から教わりました。「歳を重ねる事をネガティブに捉えずセクシーに健康に楽しみましょう」

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