40〜50代で物忘れ・記憶力低下が気になる方へ|よくある症状と対策

40〜50代になると「物忘れが増えた」「記憶が抜け落ちる」と感じ、不安になる人は少なくありません。更年期との関係や認知症との違いが分からず、悩むこともあるのではないでしょうか。
この記事では、40〜50代の記憶力低下の原因や認知症との違い、日常でできる工夫について解説します。
40〜50代の【記憶力低下】の原因
40〜50代で記憶力の低下を感じる背景には、さまざまな要因が関係しています。
代表的な原因は加齢による脳の認知機能の衰えですが、毎日のストレスや栄養バランスの乱れ、慢性的な睡眠不足も無視できない要因です。
また、特定の薬の影響にも注意が必要です。たとえば、睡眠導入剤や抗不安薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬の一部、降圧剤や抗てんかん薬などは、副作用として眠気や集中力の低下を引き起こし、物忘れが目立つことがあります。1
更年期と記憶力低下には関係がある?
更年期は、記憶力低下と深い関わりがあると考えられています。
女性の場合、閉経にともない卵巣ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少します。このホルモンは、学習や記憶、感情、認知機能を支える重要な役割を担っています。そのため、更年期には抑うつや不安、意欲の低下とともに、物忘れや記憶力の減退を感じやすくなるのです。2
また、アルツハイマー型認知症は女性の有病率が男性より高く、閉経後の女性が60%以上を占めていることも報告されています。3
更年期は身体だけでなく心にも大きな変化が起きる時期で、ホルモンバランスの乱れが記憶力にも影響を与えやすいのです。
「加齢の物忘れ」と「認知症の物忘れ」の違い
年齢を重ねると、「朝ご飯に何を食べたか思い出せない」「人の名前が出てこない」といった物忘れが増えてきます。これは加齢にともなう自然な変化で、経験自体は覚えていても、細かな部分が曖昧になるのが特徴です。
一方、認知症による物忘れは「朝ご飯を食べたこと自体」を忘れてしまうなど、「経験そのもの」が抜け落ちる傾向があります。また、同じことを繰り返し質問したり、物忘れの頻度や内容が日常生活に大きく影響を与えるケースも珍しくありません。4
更年期の物忘れは本人に自覚があることが多いのに対し、認知症の場合は自覚が乏しい場合もあります。
気になる記憶力低下をセルフチェック
記憶力の低下が気になるときは、自分自身で認知機能をチェックしてみましょう。こうしたセルフチェックは、予防への意識を高めるだけでなく、テストを受けること自体が脳のトレーニングにもなります。
たとえば、東京都福祉局が提供している「とうきょう認知症ナビ」では、簡単な質問に答えるだけで認知機能のセルフチェックができます。5
参照元:東京都福祉局|とうきょう認知症ナビ 自分でできる認知症の気づきチェックリスト
不安を感じたときは、まずこうしたツールを活用して現状を把握することから始めてみましょう。
40〜50代から始める記憶力低下の予防&対策
認知機能は30〜40代をピークに徐々に低下し、50歳前後からその変化が目立つようになります。特に40歳ごろからの生活習慣が記憶力に大きく影響するといわれており、日々の過ごし方を見直すことが大切です。6
ここからは、記憶力低下を予防するために取り入れたい具体的な対策について紹介します。
生活習慣病の管理をする
記憶力の低下を防ぐためには、生活習慣病の管理が欠かせません。高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病があると、脳の血流が悪くなり認知機能が低下しやすくなります。
日ごろから血圧や血糖値を意識し、異常がある場合は医師の指導のもとで適切にコントロールすることが大切です。
良質な睡眠を意識する
良質な睡眠は、記憶力の維持や認知症予防にとって非常に重要です。
不適切な睡眠時間や質の低下、睡眠に関する病気は、認知症を発症するリスクを高めるといわれています。寝る前はテレビやスマートフォンの使用を控え、部屋をできるだけ暗くして眠ることが大切です。
また、早寝早起きを習慣づけるためにカーテンを10cmほど開けておき、朝の日差しで自然に目覚める工夫も効果的です。日々の睡眠環境や習慣を見直してみましょう。4)
適度な運動を取り入れる
記憶力低下の予防のため、適度な運動を生活に取り入れましょう。
週に3回ほど、30分間しっかり汗をかくウォーキングやジョギング、筋力トレーニングなどを行うことで、脳の血流が増え、神経細胞の働きも活発になります。4)また、頭と体を同時に使う「コグニサイズ」と呼ばれる運動も効果的です。7
運動によって神経栄養因子と呼ばれるたんぱく質が増え、脳の容積が大きくなることも分かっています。運動習慣がある人は、認知症のリスクが低い傾向があるため、日常的に体を動かすことを意識しましょう。4)
栄養バランスに留意する
食事の栄養バランスに気を配ることは、記憶力低下の予防にも重要です。バランスよく適量の栄養を摂ることで、本来人間が持つ免疫力や回復力、体の恒常性が保たれます。
特定の食材やサプリメントだけに頼るのではなく、日々の食事でさまざまな栄養素を取り入れることが大切です。サプリメントは補助的に活用し、まずは食事の内容を見直してみましょう。
適正体重を維持する
適正体重を保つことは、脳と体の健康を守るうえで欠かせません。肥満や極端なやせは、生活習慣病や血管障害のリスクを高め、結果的に認知機能にも影響を及ぼす可能性があります。
日ごろから体重の変化に気を配り、バランスの良い食事や適度な運動を心がけることが大切です。
頭を使う活動をする
頭を積極的に使う活動は、認知症予防に効果があるとされています。読書やパズル、楽器の演奏、囲碁などのボードゲームを日常に取り入れることで、脳が刺激され、記憶力の維持に役立ちます。
特に、1日1時間程度、週に6時間以上こうした活動を続けることで、認知症の発症リスクが下がるという報告もあります。楽しみながら頭を使う時間を増やしてみましょう。
人と関わる
人との交流や会話は、記憶力の低下を防ぐうえで大切な役割を果たします。直接会って話すだけでなく、電話やビデオ通話なども有効です。こうしたコミュニケーションは「社会的認知」を活発にし、脳に良い刺激を与えます。
最低でも週に1回以上、できれば毎日1回は外出や誰かとのやり取りを意識しましょう。人と関わる時間を持つことが、心身の健康にもつながります。
スマホやパソコンから離れる時間をとる
スマートフォンやパソコンを長時間使い続けると、脳が休まらず、記憶力や集中力の低下につながることがあります。意識してデジタル機器から離れる時間を作ることで、脳をリフレッシュさせることができます。
休憩中は深呼吸や軽いストレッチを取り入れるのもおすすめです。情報に触れない時間を意識的に設け、心身のリセットを図りましょう。
物忘れがひどい……病院受診の目安
物忘れが日常生活に影響を及ぼし始めた場合は、病院で相談することを検討しましょう。
認知症の一歩手前の段階であるMCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)は、本人やご家族が認知機能の低下を自覚していても、まだ普段通りの生活が送れる状態です。この状態を放置すると認知症へ進行する可能性がありますが、早めに予防や対策を始めれば健常に戻ることも期待できます。4)
日常生活で困りごとが増えたときや、家族や職場で変化を指摘されたときは、脳神経内科や心療内科、もの忘れ外来などを受診しましょう。専門の医療機関をすぐに受診できない時は、まずはかかりつけ医に相談してみることも、ひとつの方法です。
記憶力低下の不安はひとりで抱え込まず、正しく向き合おう
更年期などで感じる記憶力の低下は、一時的な変化であることも少なくありません。不安を感じたときは、正しい知識を持つことが大切です。
必要以上に心配せず、自分の状態を冷静に理解することで、適切な対応が取れるようになります。気になることがあればひとりで抱え込まず、家族や専門家に相談しましょう。
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