女性ホルモンの乱れはメンタル不調の原因!?

どうして分かってくれないの?ホルモン変動による気持ちのつらさ
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関西のとある薬局。

近くの内科から睡眠薬や安定剤、鎮痛剤など、不定愁訴の症状をやわらげる薬が記載されている処方箋を不機嫌な様子で差し出す、50代の女性との会話です。

目次

安定剤の種類が増えた女性

患者さん

はいこれ

岡下

いつものお薬ですね

患者さん

中身もろくに確認しないで適当なこと言わんといて!

(心の声)

うわ……今日は機嫌悪い日や

岡下

ご用意するのでしばらくお待ちくださいね

患者さん

夕飯の用意しなあかんから早く用意して

岡下

承知しました

 患者さんは椅子にも座らず、仁王立ちでカウンターの前に立っています。

(心の声)

いつもより通院の周期が早くなっているし、安定剤の種類が追加になっている
調子悪いのかな

        

どうして薬の減るペースが早まったのか?

岡下

お手持ちの薬がなくなったのですか?
いつもより早いペースで通院されてますね

患者さん

そやねん
最近家族のことでイライラして、いつもの安定剤を多めに飲んでたら早くなくなったの
先生にそれを言うたら怒られて、種類を増やすって言われた

岡下

そうなんですね
同じ薬の量を増やすよりも、違う種類を追加した方が症状が改善しやすい傾向にあります

患者さん

そんなん知らんかった!
いつも来てんのに、それくらい教えてもらわな困るわ

(心の声)

今日はやけに突っかかってくるな

   

女性の対人関係の特徴

一般的に、女性は人との関係に敏感で、対人関係のストレスを訴えることが多く、傷つきやすさを抱えている傾向があります。また対人関係の問題心の失調の原因になりやすいことが知られています。

さらにつらさをわかってもらいたいと言う言動が、男性に比べて多いとも言われています。

直接言葉にしなくても、言動の変化を周囲が汲み取ることが、本人にとって大きな救いにつながるのです。

休みたいのに理解されないつらさ

岡下

先生から聞いていると思うけど、私の方からも新しいお薬の飲み方を説明しますね

患者さん

早くしてって言うてるのに……

岡下

病院行くと疲れますよね
家に帰ってこのまま「寝たい」って思っても、夕飯つくんなきゃいけないなんて
女性は大変よね

患者さん

ほんとそうなんよ
疲れて寝たいのに、家族から「サボっている」「怠け病だ」って言われて
だから薬で治そうって思っているんやけど、なかなか改善しなくて
ほんまに毎日つらい……

   

メンタル不調を防ぐために「HELP」を出しましょう

女性は更年期などの年齢に伴うホルモン変化によって、体の調子が悪くなり、それらが長引くとうつ病、うつ状態につながることもあります。

本来ならば、バランスの取れた食事や、適度な運動、生活習慣を整えることが、心と体の健康を維持するために大切だとお話しすれば良いのですが、人によっては異なるアプローチが必要です。

例えばお子様が塾に通うため夕飯が遅い、ご主人が不規則な仕事のため夕飯の時間が決まっていない、など家族揃って食事がしづらい環境にある場合、食事の準備や片付けの回数が増え、ご自身の時間を保てない女性もおられます。仕事だけでなく家庭の問題も心の負荷になり慢性的なうつの症状につながることも。

また女性は生物学的に、ストレスホルモンであるコルチゾールをコントロールしている、「視床下部―脳下垂体―副腎皮質」のバランスが崩れやすいとも言われています。

このように女性はホルモンバランスの乱れによって、メンタルの不調をきたしやすい時期があります。家庭環境はご自身の力ではなかなか変えづらいもの。だからこそ、誰かに助けを求める手段を日頃から見つけておきたいですね。

参考

一般社団法人、日本うつ病センター「女性のライフステージと女性特有のうつとの関係」

どうして分かってくれないの?ホルモン変動による気持ちのつらさ

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この記事を書いた人

岡下真弓のアバター 岡下真弓 【薬剤師】

フリーランス薬剤師
JAAアロマコーディネーター協会認定講師

化粧品メーカー研究開発や薬剤師の知識を生かし、女性の健康と美容をテーマにした講演活動を行っています。 歳を重ねるにつれ、衰えや失われていくものはあります。また更年期世代は仕事で負う責任が大きくなり、後ろ向きな気持ちになりがちです。私は人の美しさとは、その人の生き方次第で変えることが出来ると多くの患者様から教わりました。

「歳を重ねる事をネガティブに捉えずセクシーに健康に楽しみましょう」

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