更年期のデリケートゾーン【ヒリヒリ・かゆみ】に使える市販薬は?
更年期には、デリケートゾーンがヒリヒリして痛くなったり、かゆみがでたりすることがあります。
このようなトラブルには、女性ホルモン(エストロゲン)の低下が関わっていることを知っていますか?今日はその原因と対策についてお話しします。
更年期の陰部「ヒリヒリ」「かゆみ」起こる原因
ホットフラッシュやイライラ、疲れやすいなどよく知られている更年期症状だけでなく、40代・40代の女性を悩ませる【デリケートゾーンのトラブル】。原因には何があるのか見てみましょう。
女性ホルモンの減少による乾燥
エストロゲンのゆらぎと減少は、ホットフラッシュなどの更年期症状以外にも、デリケートゾーンに影響します。
エストロゲンは膣粘膜を潤して、厚く丈夫に保つ働きがあるため、エストロゲンが減少すると粘膜は薄くなり、子宮頸管から分泌される粘液も減少するため膣の潤いが減少して、デリケートゾーンが乾燥します。
感染・炎症を起こしやすくなる
通常、膣内は常在菌の働きで酸性に保たれていて、外からの細菌感染を防いでいます。この働きを「自浄作用」といいます。
エストロゲンの分泌が減少すると、膣内の常在菌のバランスが崩れ、中性に傾くことで自浄作用が働かなくなってしまいます。そのため細菌感染や、炎症を起こしやすくなり、かゆみがでたり、色や匂いのあるおりものがでたりします。
ナプキンや尿もれパッドの影響
エストロゲンの分泌が揺らぐ更年期には不正出血がみられることがあります。定期的に月経があれば月経時にナプキンを装着すればいいですが、不正出血はいつ起こるかわからず、おりものシートやナプキンを常用している人も少なくありません。
また、骨盤底筋が弱くなり、尿もれで悩んでいる場合は尿もれパッドを装着している場合もあります。
おりものシートやナプキン、尿もれパッドによる刺激がデリケートゾーンのかゆみや炎症を引き起こす原因になってしまうこともあります。
更年期のデリケートゾーンに使える市販薬の選び方
市販薬には種類がいくつかあるので、その時の症状にあわせて選ぶのがよいでしょう。また、軟膏やクリーム、スプレーなど色々なタイプがありますが、使用感が違いますので一度ドラッグストアや薬局で相談してみるといいかもしれません。
ポイント①かゆみに効く成分
ジフェンヒドラミン
ヒスタミンH1受容体を遮断してかゆみを抑える作用がある成分です。
リドカイン
局所麻酔の作用で皮膚の感覚を感じにくくさせてかゆみを抑える成分です。
ポイント②炎症をおさえる成分
グリチルレチン酸
炎症を伝える伝達物質を阻害して、かゆみや炎症を抑える成分です。
ポイント③膣カンジダ専用の薬
クロトリマゾール塩酸塩
膣カンジダの原因菌に効果がある成分です。
Q.陰部のヒリヒリ・かゆみに【ワセリン】を使ってもいい?
問題ありません。乾燥しがちなデリケートゾーンの保湿にはワセリンが適しています。薄く塗るだけでも乾燥を抑える効果がありますので上手に活用しましょう。
Q.陰部のヒリヒリ・かゆみに【ステロイド】を使ってもいい?
陰部の皮膚は薬を吸収しやすいので、安易にステロイドを使用するのはやめておいたほうがいいでしょう。
またカンジダ症などの感染症が疑われる場合は、ステロイド剤を使用すると悪化することがあります。
陰部のヒリヒリ・かゆみで医療機関を受診する目安は?
一日中気になるほどにかゆみがあり、翌日になっても治まらないない時は適切な治療が必要な可能性があるため、早めに医療機関を受診しましょう。
また、性感染症では、おりものが強く臭ったり、ポロポロしたり、色がいつもと違っていたりする場合がありますので、そのような症状がある場合も早めに婦人科医師の診察を受けてください。
市販薬を上手に活用してデリケートゾーンの悩みを解決(まとめ)
デリケートゾーンの悩みはなかなか人に言いづらいもの。しかし適切な市販薬を選べば、デリケートゾーンのトラブル改善につながることもあります。
また、かゆいからと言って膣内を洗浄しすぎると、自浄作用が落ちてしまい、かえって悪化させてしまうことも。締め付けの強い下着や通気性の悪い下着などは避け、こまめに清潔を保つよう心がけましょう。
あまりに症状が辛い場合は、ためらわずに医療機関を受診してくださいね。