【爪が割れやすい】更年期の爪トラブル【原因と対処法】
日常の家事や仕事中に、ふと爪が欠けてしまったり、爪のすじが目立つようになったと感じることはありませんか?
年齢を重ねると、爪の変化が気になることが増えてきますが、その原因の一つが更年期に伴う女性ホルモンの変化です。ホルモンバランスが崩れると爪が乾燥しやすくなり、さまざまな爪トラブルが起こりやすくなります。
この記事では更年期の爪トラブルの原因と、対処法について詳しく解説します。
更年期に爪が割れる理由は【女性ホルモンの影響】
更年期には体内のホルモンバランスが大きく変化します。
女性ホルモンであるエストロゲンが減少すると、身体のさまざまな部分に影響が現れますが、その一つが爪です。エストロゲンは爪に必要な水分と栄養の供給に関わっています。
爪の真下にある組織を「爪床(そうしょう)」と呼びます。爪床は毛細血管が通っており、ピンク色に見えるのが正常です。エストロゲンが十分に分泌されていると、爪床の血流が良好で、酸素や栄養素が効率よく運ばれ、爪が健康的に成長します。
しかし更年期になるとエストロゲンの分泌量が低下するため、爪が乾燥し、しなやかさや弾力性が失われ、割れやすくなるなどのトラブルが発生しやすくなります。
爪も老化する?爪トラブルの種類
爪も年齢と共に変化し、更年期にはさまざまな爪トラブルが起こりやすくなります。主要な爪トラブルの種類とその原因を説明します。
縦に割れる爪甲縦裂症(そうこうじゅうれつしょう)
爪甲縦裂症は、爪の先端から根元に向かって縦に割れることが特徴です。
爪甲縦裂症の原因として、次のような要因が考えられます。
- 爪に対する外的刺激
- 栄養不足
- ホルモンバランスの乱れ
- 皮膚疾患
- 循環障害
- 甲状腺機能異常
- マニキュアなどの化学物質による刺激
栄養不足やホルモンバランスの変化により、爪の主成分であるケラチン※が不足し、爪に縦すじが入ったり脆くなることがあります。
※ケラチンは爪や皮膚、髪などの体の硬い構造物を形成するために必要なタンパク質の一種です。
横に割れる爪甲横溝(そうこうおうこう)
爪に横向きの溝ができる爪甲横溝は、主にストレスや体調不良、栄養不足が関係しています。
ストレス過多などにより、爪母(爪のもとになる部分)に十分な血液が行き渡らなくなり、爪の成長が一時的に停止すると横溝が形成されます。
横溝は一度できると、爪の成長によって少しずつ上に移動します。再発を繰り返す場合は、慢性的な病気が隠れている可能性があるため受診を検討してください。
二枚に割れる爪甲層状分裂(そうこうそうじょうぶんれつ)
爪の表面が薄く剥がれるように分裂する爪甲層状分裂は、乾燥や外部からの刺激が原因です。二枚爪とも呼ばれます。
爪は背爪(トッププレート)・中爪(ミドルプレート)・腹爪(アンダープレート)の3層構造でできています。この3層構造により、強度と柔軟性のバランスを保っています。爪甲層状分裂は、これらの層が分離することで起こる症状です。
手洗いや洗剤の使用が多い人は、この症状が現れやすくなります。また、頻繁なマニキュアの使用や、除光液の成分により爪を傷めることも一因です。
爪が割れるのは病気のサイン?
爪が割れやすくなる原因は更年期だけではありません。体の不調や病気が隠れていることもあるため注意が必要です。
貧血
貧血は爪の健康に大きく影響します。
貧血が進行すると体内の酸素供給が不足し、爪に十分な栄養が行き渡らなくなります。爪が青白く見えるのは貧血のサインの一つです。
また、鉄分が不足すると「スプーン爪(匙型爪甲)」と呼ばれる、爪の中央が凹んでスプーンのような形になることがあります。
鉄欠乏性貧血は、食事やサプリメントで改善が期待できますが、貧血の状態によっては治療が必要なことも。爪に貧血のサインがみられる場合は、一度病院で相談してみてもよいかもしれません。
栄養不足
爪の健康には、バランスの取れた栄養摂取が不可欠です。
特に、タンパク質、ビタミンB群、亜鉛が不足すると、爪が薄くなり割れやすくなります。偏った食生活や過度なダイエットは、爪だけでなく全身に悪影響を及ぼします。
バランスの取れた食事を心がけ、必要に応じてサプリメントを利用することが爪の健康には必要です。
その他
甲状腺の機能が低下する甲状腺機能低下症は、爪が割れやすくなったり、全体的に爪が薄くなることがあります。
爪白癬(爪のカビ感染)は、爪が厚くなり、表面がボロボロと崩れる症状が特徴です。
放置すると悪化する可能性があるため、早めの治療が必要です。
更年期の割れやすい爪《予防法&対処法》
爪が割れやすくなっても、適切なケアを行うことで予防や改善が可能です。対策を参考にして、健やかな爪を保ちましょう。
爪を強くする食べ物・サプリ
爪の健康には、栄養バランスのとれた食事が大切です。
鉄分、ビタミンB群、亜鉛、カルシウムが爪を強く保つために必要です。
- 鉄分:レバー、赤身肉、牡蠣、あさり、しじみ、ほうれん草、小松菜、納豆など
- ビタミンB群:卵、納豆、豚肉、玄米、アボカド、バナナなど
- 亜鉛:牡蠣、アーモンド、牛肉、豚肉、ごま、チーズ、大豆など
- カルシウム:乳製品、小魚、小松菜、ブロッコリー、切り干し大根など
鉄の吸収を高めるビタミンC(野菜や果物など)を同時に摂取すると効果的です。
紅茶やコーヒーは鉄の吸収を阻害するタンニンが多く含まれているため、食事中や食事の前後は避けるようにしましょう。
できるだけ食事から栄養素をしっかり摂ることが理想ですが、サプリメントで補うのも一つの方法です。
正しい爪の切り方
爪の正しい切り方についてのポイントは以下の通りです。
- まっすぐカット
まず爪を端から端までまっすぐに切ることが基本です。これにより割れにくくなります。
- 角を少し丸める
丸めすぎないように注意しつつ、爪の角を少しだけ丸くすることで、引っかかりや割れを防ぐことができます。
- 爪やすりで整える
切った後は爪やすりを使って、切り口をなめらかに仕上げましょう。
- 適度な長さを保つ
爪の長さは適度に保ち、極端に短くしないようにしてください。深爪は痛みや爪の変形を引き起こす可能性があります。
切れ味の悪い爪切りは爪に負担をかけるため、切れ味の良い爪切りを使用しましょう。お風呂上がりなど、爪が柔らかくなっているときに切ると切りやすくなります。
保湿重視のネイルケア
爪の乾燥を防ぐためには、保湿が欠かせません。爪が乾燥すると、割れや欠けなどのトラブルが起こりやすくなります。
ハンドクリームやネイルオイルを日常的に使い、特に爪の根元や爪周りの皮膚を丁寧に保湿しましょう。
水仕事をする際にゴム手袋を使用することで、爪が直接刺激を受けるのを防ぎ、乾燥から守ることができます。
空気が乾燥しやすい季節には、爪の水分も減少し、強度や硬度が低下しやすくなります。冬場は特に保湿を意識して、爪のケアを心がけましょう。
割れてしまった時の対処法
もし爪が割れてしまったら、応急処置として補強シールを使うと良いでしょう。
割れた部分をそのままにしておくと、さらに裂けて痛みを伴うことがあります。応急処置をした後は無理に爪を剥がさず、自然に治るまで保護しながら、定期的に保湿ケアを行うことが重要です。
割れた部分が引っかかりやすい場合は、柔らかいテープや絆創膏を巻くと、生活の中で爪がさらにダメージを受けるのを防げます。
根元までの縦割れや痛み、出血を伴う場合は、早めに受診しましょう。
ケアしても改善しない爪のトラブルは皮膚科で相談(まとめ)
更年期はエストロゲンの減少により爪トラブルが生じやすくなるため、日々のケアが大切です。
爪のケアをしても改善が見られない場合は、皮膚科や形成外科に相談することをおすすめします。ホルモンバランスの変化だけでなく、他の健康問題が隠れている可能性があるので、専門的なアドバイスを受けましょう。
更年期に起こりがちな爪のトラブルは、日々のケアである程度防ぐことができます。自分に合ったケア方法を見つけ、健康な爪を保ちましょう。