【質問】抜け毛や、頭皮の痒みがあります。老化だけでなく、更年期と関係があるのでしょうか? 対策方法はありますか?

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質問

抜け毛や、頭皮の痒みがあります。老化だけでなく、更年期と関係があるのでしょうか? 対策方法はありますか?

回答

女性ホルモンには、女性のからだ作りを助けるエストロゲン(卵胞ホルモン)と、妊娠の成立や維持に重要なはたらきをするプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり、決まった周期で分泌されバランスを保っています。2種類の女性ホルモンのうち、エストロゲンは髪の毛の成長を促す仕組みに大きく関係しており、活発に分泌されることで髪の毛はハリとコシのある健康的な状態を保っています。45歳〜55歳くらいに迎える更年期には、女性ホルモンが急激に減少することで心身に変化が現れ、髪に悩まされる女性が増加します。エストロゲンが減少すると、髪や肌、粘膜の乾燥が一気に進みます。頭皮は乾燥し、場合によってはかゆみや湿疹になることもあります。髪はハリやコシが失われて1本1本が細くなり弱々しい状態になります。そして、髪の毛の本数が減ったり、髪の毛が成長しないうちに抜けてしまい、抜け毛や薄毛の症状(女性型脱毛)に悩まされるようになります。

対策

・頭皮の痒みやふけは、「乾燥性」「脂性(脂漏性皮膚炎)」があります。顔や体の肌もカサついていて、頭皮のふけが出るなら乾燥性、Tゾーンが脂っぽい人は脂性です。乾燥性の頭皮の人は、シャンプーを過度に行うと必要な油分が足りなくなり乾燥やかゆみの原因になることがあります。ぬるま湯でシャワーをするだけでも表面の汚れは落ちますし、洗髪時のシャンプーの量を減らして、薄めたもので洗うのもいいでしょう。

・シャンプーは1日1回、もしくは2~3日に1回など自分の髪や頭皮の状態に合わせて行うことが大切です。シャンプー後タオルドライをしたら、頭皮をオイルやローションで保湿するのも良いでしょう。あまりにも乾燥が酷い場合は、頭を洗う前に頭皮用オイルを直接つけてから洗髪すると効果的です。ドライヤーも髪が7〜8割乾いたら送風にし、頭皮を乾かしすぎないように気をつけましょう。それでも頭皮の痒みや乾燥などの症状が改善されない場合は、皮膚科を受診しましょう。

女性型脱毛予防に大事なのは食事、睡眠、運動、禁煙などの基本的な生活習慣と、頭皮ケア・ヘアケアです。髪の毛をつくる細胞は多くの血液、栄養を必要とします。血流を促すために頭皮マッサージ、半身浴などがすすめられます。また、ほとんどの育毛剤は血流促進作用を持つ成分が含まれています。薄毛や脱毛が気になり始めたら育毛剤でケアすることも一つの手段です。

ただし女性の薄毛や脱毛には重大な疾患が隠れていることが稀にあるので、病的な脱毛は自己判断せず、皮膚科に受診するようにしましょう。

(C)Adobe Stock

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この記事を書いた人

北朝霞メディカルクリニック院長
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
順天堂大学非常勤助教

大学病院で7年勤めたのち、美容皮膚科クリニックで研鑽を積み現職。 商品開発アドバイザリーやメディア取材など皮膚科領域で幅広く活動している。

このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。

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