【助産師・看護師】東衣里
「最近人の名前が覚えられない」など、物忘れに困ってはいませんか? 実は更年期と物忘れの関連が注目されています。
女性ホルモン(エストロゲン)が、脳の記憶を司る部分の働きを活性化させるという研究結果が複数発表されているのです。更年期にはエストロゲンが低下するため、物忘れが起きやすくなると考えられています。
更年期世代において、物忘れは多く見られる症状です。しかし目に見えない症状のため、一人で悩んでいる女性も多いのではないでしょうか。
TRULYでは、物忘れや記憶力の低下を感じている更年期世代の女性にアンケートを実施してみました。
10年程前から物忘れの症状を自覚し始めたというこちらの女性。玄関のドアに鍵を挿しっぱなしにしてしまい、大家さんに届けてもらったエピソードを話してくれました。それ以来、戸締りやガスの消し忘れが心配で指さし確認をしているそう。
脳神経外科を受診し、MRI検査を受けましたが異常はありませんでした。
更年期症状としては、ホットフラッシュを自覚していて、更年期と物忘れの関連については、知らなかったとのことです。
こちらの女性が物忘れの症状を感じるようになったのは、50歳頃のこと。「芸能人の名前が出てこなかったり、アレアレが多くなってきたりしました。話が進まなくて恥ずかしいのが悩みです。」と話します。
すぐにスマホで調べず、できるだけ思い出すようにしているそうです。
疲れやすさや汗、体温調節がうまくいかないといった更年期症状も感じていると話します。更年期と物忘れの関連については、こちらの女性も知らなかったと言います。
「冷蔵庫に何か取りに行っても、何を取りに行ったか思い出せないんです。スマホを家の中で探すこともしょっちゅうです。」と話すこちらの女性が物忘れを感じ始めたのは40代に入った頃。
最近では、スーパーへ行っても買い忘れをしたり、買ったのを忘れて同じものを買ったりと、買い物で困ることがあるという悩みを教えてくれました。買い物や覚えておくことは逐一メモしているそうです。
イライラ、疲労感、気持ちが沈むなどの更年期症状も感じているとのことです。更年期と物忘れの関連については、何となく知っている程度とのことでした。
経験者の方から更年期世代で物忘れに悩んでいる方へのメッセージをご紹介します。
・くよくよしないこと。精神的な落ち込みが頭の働きを鈍らせることもあると、医師からアドバイスを受けました。
・なるべく考える、体を動かす、毎日誰かと話すことを心がけています。
・すぐに諦めずに、考えることが大切だと思っています。頭を使うゲームや、本を読んだりしています。
みなさん色々な対策を試みています。できそうなことから取り入れてみると良さそうですね。
物忘れと更年期の関連は、まだ広く知られていません。今回アンケートに答えていただいた方の中にも、詳しく知っている方はいませんでした。
物忘れは「年齢のせいだから仕方ない」と諦めてしまいがちですが、エストロゲンの低下に関連した物忘れは、
・睡眠の質を上げる
・ストレスをためすぎない
・すぐに調べず思い出すようにする
といったセルフケアや、病院でのホルモン補充療法・漢方療法などによる効果が期待できます。
しかし、物忘れはまれに認知症の初期症状の場合もあるので、日常生活に支障が出ているなど心配な場合は、一度医師の診察を受けるようにしましょう。
関連記事
他の記事も読みたい方へ
記事ページTOPはこちら・このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。
・専門家の皆様へ:病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。