記憶が飛ぶ!物忘れがひどいのは更年期症状?認知症のサイン?

「人の名前が覚えられない」
「買い忘れが増えた」
など、物忘れに困ってはいませんか?
まだ40代、50代なのに物忘れなんて……と不安に感じてしまう人もいるかもしれません。しかし、更年期世代において、物忘れは多く見られる症状です。物忘れと更年期が関係していると気付かずに、一人で悩んでいる人も少なくありません。
そこでTRULYでは、物忘れや記憶力の低下を感じている更年期世代の女性にアンケートを実施してみました。さらに更年期による物忘れの原因や対策についてもお伝えしていきます。
《40代・50代》物忘れの体験談
物忘れが激しくて戸締りやガスの消し忘れが不安(50歳)
10年程前から物忘れの症状を自覚し始めたというこちらの女性。玄関ドアに鍵を挿しっぱなしにしてしまい、大家さんに届けてもらったエピソードを話してくれました。それ以来、戸締りやガスの消し忘れが心配で指さし確認をしているそう。
脳神経外科を受診し、MRI検査を受けましたが異常はありませんでした。
更年期症状としては、ホットフラッシュを自覚していて、更年期と物忘れの関連については、知らなかったとのことです。
人の名前が出てこなくて仕事にも影響が(54歳)
こちらの女性が物忘れの症状を感じるようになったのは、50歳頃のこと。「芸能人の名前が出てこなかったり、アレアレが多くなってきたりしました。仕事で会った人の名前が覚えられないことが悩みです」と話します。記憶力を鍛えようと、すぐにスマホで調べず、できるだけ思い出すようにしているそうです。
疲れやすさや汗、体温調節がうまくいかないといった更年期症状も感じていると話します。更年期と物忘れの関連については、こちらの女性も知らなかったと言います。
買い忘れが多くてスーパーに何度も足を運ぶことがあります(46歳)
「冷蔵庫に何か取りに行っても、何を取りに行ったか思い出せないんです。スマホを家の中で探すこともしょっちゅうです。」と話すこちらの女性が物忘れを感じ始めたのは40代に入った頃。
最近では、スーパーへ行っても買い忘れをしたり、買ったのを忘れて同じものを買ったりと、買い物で困ることがあるという悩みを教えてくれました。買い物や覚えておくことは逐一メモしているそうです。
イライラ、疲労感、気持ちが沈むなどの更年期症状も感じているとのことです。更年期と物忘れの関連については、何となく知っている程度とのことでした。
40代・50代の物忘れがひどいのはなぜ?
近年、更年期と物忘れの関連が注目されています。更年期世代で物忘れがひどくなる理由は大きく2つあります。
女性ホルモン「エストロゲン」の低下
女性ホルモンであるエストロゲンが、脳の記憶を司る部分の働きを活性化させるという研究結果が複数発表されているのです。更年期にはエストロゲンが低下するため、物忘れが起きやすくなると考えられています。
ストレスや疲れ
40~50代はホットフラッシュや肩こりなどの更年期症状や、仕事・家庭での役割変化といった更年期世代特有の環境による負担が重なりやすくなります。こうしたストレスや疲れの蓄積が、記憶力や集中力の低下を引き起こすことがあるとされています。
さらに更年期症状のひとつである不眠による睡眠不足も、物忘れに大きく影響することが考えられます。
更年期の物忘れは病気のサイン?治る?
物忘れを自覚すると「認知症などの病気のサインではないか?」と不安に感じる人も多いでしょう。
更年期の物忘れと認知症などの病気による物忘れは、一部を忘れるか全部を忘れるかが大きく違うポイントであると言われています。
- 更年期の物忘れ:一部を忘れてしまう(例:朝食に何を食べたかを忘れる)
- 認知症などの物忘れ:すべてを忘れてしまう(例:朝食を食べたことを忘れる)
これは一般的な違いであるため、物忘れがひどく気になる場合などは、自己判断せずに専門医に相談するようにしましょう。
そんな更年期の物忘れを改善するポイントは「ストレス・睡眠不足の解消」です。
ストレスや睡眠不足は、記憶力や集中力の低下を引き起こします。そのため、規則正しい生活リズムや運動などで、それらを解消するように意識してみましょう。
また、更年期の症状自体もストレスの原因になるので、つらい症状に悩んでいる場合は、我慢せずに婦人科や更年期外来を受診して、適切な治療を受けることが重要です。
他にも、思い出すことは脳を活性化させるため、物忘れに効果的だと言われています。すぐに答えを調べずに、記憶をたどって思い出すように心がけてみましょう。
更年期と物忘れ 関連を知って対策しましょう
物忘れと更年期の関連は、まだ広く知られていません。今回アンケートに答えていただいた方の中にも、詳しく知っている方はいませんでした。
物忘れは「年齢のせいだから仕方ない」と諦めてしまいがちですが、エストロゲンの低下に関連した更年期の物忘れは、セルフケアや思い出す習慣、病院でのホルモン補充療法・漢方療法などによる効果が期待できます。
しかし、物忘れはまれに認知症の初期症状の場合もあるので、日常生活に支障が出ているなど心配な場合は、一度医師の診察を受けるようにしましょう。


※本記事は実際の体験談をもとに構成・編集しております。