アーユルヴェーダでの不眠症(ニドラナシュ)対策【後編】

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〜アーユルヴェーダと不眠の関係の後半は「ストレスと不眠」について、アーユルヴェーダの体質に沿ったストレスの現れ方、対処法などを解説します〜

アーユルヴェーダでの不眠症(ニドラナシュ)対策【前半】アーユルヴェーダで考える不眠症の原因、ホルモンとの関わりについてお伝えしました。

不眠の原因は人によって様々です。だからこそ、一人一人の不眠の原因を探り取り除く作業が必要になります。

後半では、不眠の原因となるストレスについて、体質別にみていきながら、アーユルヴェーダのより良い睡眠の取り方、対処法などを説明していきます。

目次

ドーシャの乱れによる不眠について

不眠の原因はヴァータの乱れが主ですが、ピッタ、カパの乱れによる不眠の原因もあると前編でお伝えしました。

その中で、ヴァータとカパの乱れが生じると、体が冷え、消化力が低下し、アーマ(毒素・老廃物)が蓄積し、体が怠くなり、顔色が悪くなり、やる気が無くなったり、排泄が滞り、思考が鈍り、五感が閉ざされ、心には不安や重さが消えなくなり、人生に悲観し、数々の病気を引き起こし、寿命を縮め、人生における成就をかなえることができなくなります。

それぐらい睡眠を軽んじてはいけません

2つのドーシャ(体質)の乱れは、より不調から病気へと移行しやすくなります。

多くの人が、体調の変化、心の変化に気づきながらも「まだ大丈夫」と自分で決めてサインを見逃しています。そのサインが病気を防ぐことにもつながるのです。

ドーシャについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ストレスの原因を取り除くことが、より良い睡眠へ近づく鍵となる

不眠は生活習慣、食習慣の乱れの他、ストレスによる不眠症も多くあります。

ここ2年はコロナ禍もあり、リモートワーク、人との交流の制限、運動習慣の激減など以前とは異なった環境に私たちの心身も追いつかず、それが不調を引き起こす要因となっていることも少なくないでしょう。

またストレスは、同じ状況でもストレスを感じる人と感じない人がいるくらい、人によって様々です。だからこそ、自分の中で感じる変化=サインに気づくことが大切です。

ストレスのほとんどは、自ら作り出しています。自分で作り出したストレスは自分自身でケアをすることで、解消されることもあります。

まずは、不眠の原因がストレスからきているものなのか、ドーシャ別(体質)ストレスを抱えた時に現れる症状をみていきましょう。

ドーシャ別ストレスの現れ方

【ヴァータ】ラジャス(激質)↑ 不安、落ち着きのなさが目立つ

身体的ストレス

  • 疲れやすい・首、肩の凝り
  • 不整脈・頭痛・便秘
  • 息苦しさ
  • めまい
  • 関節痛、背中の痛み、腰痛
  • 睡眠障害・冷え

心理的ストレス

  • 集中できない
  • 頭が冴えない
  • 優柔不断
  • 落ち着きがない
  • 不安、心配、恐怖心、緊張

【ピッタ】ラジャス(激質)↑ イライラ、怒り

身体的ストレス

  • 暑さに過敏
  • 体のほてり
  • 顔の紅潮
  • 締め付けられるような頭痛

心理的ストレス

  • 楽しくない
  • 圧迫感
  • 自信をなくす
  • 生きる希望が持てない
  • イライラする

【カパ】タマス(暗質)↑ 感情を抑える

身体的ストレス

  • 食欲低下
  • 睡眠欲求
  • 倦怠感
  • 息苦しさ

心理的ストレス

  • 無気力
  • 睡眠欲求が高まる
  • 憂鬱

頭皮によるストレスチェック

サロンでのヘッドマッサージをおこなっていると、お客様の頭皮の色、硬さ、炎症が起きているなど今の状態がわかります。是非ご自身でもチェックしてみてください。

頭皮の状態は主に3パターンに分かれます。

頭皮が青白く、硬く凝っている、触っても鈍い

「風」のエネルギーが増えやすい生活が原因で、不安や緊張、長時間の作業など神経によるストレスで生じる。

(前頭部、頭頂部に起こりやすい)

頭皮が赤っぽく、肌が敏感、炎症を起こしている

「火」のエネルギーが増えやすい生活が原因で、いつもイライラしている、激しい運動または運動不足、寝不足で筋肉によるストレスがかかっていることが多い。

(側頭部に起こりやすい)

頭皮が黄色っぽく、頭皮の刺激には鈍い

「地」のエネルギーが増えやすい生活が原因で食べ過ぎ、運動不足、偏った食生活、消化不良など内臓へのストレスがかかっている。

(後頭部に起こりやすい)

自宅でできるセルフケア

何気ないことが蓄積すると病を引き起こします。心と体は常に繋がっているため、どちらかが健康でも不健康でもいけません。

だからこそ、常に自分と向き合う時間は必要なのです。

最後に自宅でできるセルフケア、取り入れたい習慣、食事をお伝えしていきます。

効果的な睡眠の取り方

・朝日を浴びる

・カパの時間までに寝る

  • 18時〜22時はカパの時間です。22時までに寝る準備を済ませて布団に入ると、より質の良い睡眠が得られます。

・お風呂は寝る2〜3時間前までに入る

  • 39度〜40度で副交感神が優位になるため、熱めのお湯や浸かりすぎにも注意。

・夕食は消化の良い物を取る

  • 寝る直前の飲食は避ける

・なるべく決まった時間に起床、就寝

・寝る前にパソコン、携帯の画面をみない

セルフケア

・足、耳、頭のオイルマッサージ

・瞑想、呼吸法(片鼻呼吸は副交感神経を優位にします)

・日中適度な運動(ヨガ、太極拳、ストレッチなど)

・寝る前にミルクにナツメグをいれて飲む

・アロマを炊く

食事

摂取した方が良いもの

  • 鶏肉、大根、人参、生姜、ナッツ、デーツ
  • ギー、牛乳、ハーブティー(カモミール、ラベンダー、トゥルシーなど)
  • スパイス(ナツメグ、サフラン、クミン、サフラン、カルダモン、黒胡椒)

避けた方が良いもの

  • カフェインを含むのも、キムチ、激辛食品、加工品、冷たいもの
  • インスタント食品など

サロンでのケア

・ヘッド、フェイスマッサージ

・アビヤンガマッサージ(全身マッサージ)

・シロダーラ

・シローピチュ(頭頂部の百会のつぼにゴマ油浸した布を湿布する)

アーユルヴェーダにおける不眠症対策をお伝えしてきました。

様々な原因が不眠症を引き起こしているということを知った上で、原因を取り除き健康に近づく一歩となるよう、是非日々の生活をより良く過ごしてみてください。

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この記事を書いた人

MAMIのアバター MAMI 【アーユルヴェーダ講師】

アーユルヴェーダ講師
セラピスト/ヨガインストラクター
看護師
シータヒーリング プラクティショナー

看護師として勤務した後、趣味だったヨガを深めるためにRYT200時間を受講。ヨガを学ぶ中でヨガの奥深さを知りヨガの道へ。その後アーユルヴェーダと出会い看護師時代にあった疑問が解消されていくことをきっかけにアーユルヴェーダ講師、セラピストコースを修了。現在はフリーランスとしてレッスン、パーソナルを開催。
22年9月に『アーユルヴェーダサロンsodashi』を開業。

このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。

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