【薬剤師】福島梨沙
あなたの女性ホルモンは足りていますか?
大豆イソフラボンから腸内細菌によって作られる「エクオール」。
このエクオールは女性ホルモン(エストロゲン)の働きを助ける物質です。
「女性は健康のために大豆や豆乳を摂取しましょう」と1度は聞いたことがあるはず。
しかし、せっかく摂り入れたとしても、実は2人に1人は意味がないことをご存知でしょうか。
女性ホルモンには「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類があります。
エストロゲンは、卵巣内の卵胞を成熟させて卵子を育て、排卵に備える働きがよく知られています。
他にも、女性らしい体を保つために機能しています。
排卵前に肌がつやつやしたり、気分が明るくなるものこのエストロゲンのおかげです。
月経周期の中で、エストロゲンの分泌は変化しますが、ライフステージによっても変化しており、一般的に45歳〜55歳の更年期に差し掛かる頃に分泌が減少します。
更年期の症状にも、このエストロゲンが大きく関わっています。
エクオールは大豆から私たちの体の中で生産される物質で、女性ホルモン(エストロゲン)に構造が近く、体内で女性ホルモンに似た働きをしてくれることが最新の研究でわかってきています。
体内に大豆イソフラボンが入ってくると、腸内細菌(以下、エクオール産生菌)によって変換されエクオールになります。
つまりエクオールを生産するには、以下の2つが必要ということです。
エクオールは1日10mgが必要とされていますが、そのために必要な大豆イソフラボンは50mgです。
納豆1パック、豆乳200ml、木綿豆腐なら半丁程度とそこまで難しい量ではありません。
ただし、エクオールは24時間以内に約80%が体の外に排出されてしまい、体内に蓄積しておくことが出来ないので、毎日定期的に摂取しておく必要があります。
現代の日本人は、食の欧米化により1日の大豆イソフラボン平均摂取量は18mgと目標の50mgから半分以下となっています。
普段取れていないなという方は、食事から改善してみましょう。
そして2つ目に重要なのが、エクオール産生菌がきちんとあなたの腸内細菌にいるかどうかということ。
残念ながら、エクオール産生菌は日本人のおよそ2人に1人しかいないんだそう。
せっかく十分な大豆イソフラボンを摂取していたとしても、作ることが出来なければ意味がありません。
自分にエクオール産生菌がいるか気になりますよね?
このエクオール産生菌を保持しているかどうかを簡単に検査できる方法があります。
それがソイチェックです。
尿を採取して郵送し、メール返信で結果を見ることが出来ます。
このソイチェックを行うことで、エクオールが作れる体質なのか、そうでないのかがわかるだけでも心がスッキリしますよ!
腸内細菌は食事や生活環境の影響を受け変化しますので、1年に1回はチェックをすることをおすすめしています。
エクオールは肌の不調改善、骨密度の低下を抑えるだけでなく、メタボ改善にも働くことが報告されています。
正しく知って、付き合っていくと味方になってくれる成分です。
エクオール産生菌が少ないとわかった方、大豆イソフラボンを含む食品が苦手な方は、エクオールが直接摂取できるサプリメントなどで補うようにしましょう。
*乳がんの既往がある方や治療中の方は、使用する薬や治療に影響する場合があるので、医師や薬剤師にご相談ください。
エストロゲンは、更年期や女性の体やホルモンバランスの変化に関わっています。
まずは大豆食品の摂取と食生活の改善、そしてエクオール産生菌が少ない方は外側から補うことで体調が改善するかもしれません。
ぜひ検査してみてください。
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