【監修医師】中野ひとみ
低用量ピルを飲んでいる人は、更年期が始まったら飲むのをやめた方がいいですか?
また、低用量ピルを飲んでいると、更年期症状は軽いと聞いたことがありますが本当ですか?
低用量ピルは、排卵を抑制したり子宮内膜を厚くさせないことなどによって避妊効果を示します。他にも、生理不順を改善したり生理痛を緩和するなどの副効果もあり、保険適応のピルも発売されていて、現在多くの女性が内服しています。ピルを飲み続けることで、服用をストップした後、妊娠しづらくなるのではないかと心配する人もいますが、そのような報告はありません。血液検査や子宮頸がん検診など定期健診を受けながらであれば、何年でも飲み続けることができます。
望まない妊娠を予防したり、月経困難症や生理不順、月経前症候群(PMS)などの緩和・改善に役立つピルですが、重大な副作用に血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)があります。肥満や喫煙などのリスクがない若い人だとそれほど血栓症を発症する確率は高くなく(10万分の1:乗っている飛行機が墜落するぐらいの確率)、内服によるメリットの方が大きいので、必要があれば積極的にピルの内服をおすすめしています。ただし40歳以上になると血栓症のリスクが高まるため、内服には慎重にならなければなりません。
「更年期障害」にはピルではなく他の種類のホルモン剤を用いるのが一般的で、更年期症状の予防や緩和のためにピルを内服するのはあまりおすすめできません。
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