女性のための鍼灸師が教える!〜めまい編〜あなたはどのタイプ?
「東洋医学の観点から更年期に向き合うシリーズ」、今回のテーマは、『めまい』です。
めまいには「天井や頭がぐるぐる回る」「フラフラする」「フワッとする」「地震のような感じ」「目の前が暗くなり意識が遠くなる」など、様々な症状があります。
めまいは普段通りの日常生活を送っているにも関わらず、突然症状が現れる人が多くいます。
また治療を受けてもなかなか改善せず、様々な病院を受診する人もいます。
まずは自身のめまいの症状のタイプを理解し、東洋医学的視点でのセルフケアを学んでいきましょう。
精神神経症状編 ~めまい~
めまい症状は、大きくこちらの3つに分類されます。
①耳に原因がある場合
②頭に原因がある場合
③その他の原因がある場合
① 耳に原因がある場合、耳周辺にある器官になんらかの障害が起きることにより、めまいが生じます。疾患にもよりますが、耳鳴りや難聴、耳閉感と言った随伴症状がみられます。また、気分が悪くなる、吐き気が起きると言った自律神経症状が出現することもあります。
目が回る回転性のめまいが特徴です。代表的な疾患として、良性発作性頭位めまい症やメニエール病などがあります。
② 頭に原因がある場合、小脳や脳幹などの血管障害や腫瘍によりめまいが生じます。
フワフワと浮いたような感覚のめまいが特徴です。また、耳鳴りなど耳に関する症状は起こらないとされています。
③ その他の原因がある場合は、起立性調節障害や心因性などがあげられます。
更年期症状で起こるめまいの多くは、女性ホルモンの急激な低下により自律神経が乱れ、引き起こされるものが多いとされています。
あまりにも症状がひどい場合や、上記の特徴に当てはまるものがあれば専門医を受診しましょう。
東洋医学でいう「めまい」とは?
「めまい」は、東洋医学において「眩暈(げんうん)」と言います。「眩」は目がチカチカしてくらむこと、「暈」は頭がフラフラすることをさしています。
軽いめまいであれば、休んでいればすぐに治ることもありますが、症状が重い場合は、周囲が回転して立っていることができないこともあります。また気分が悪くなったり、吐き気などの症状も併発します。
あなたはどのタイプ?
めまいという症状に加え、その他の特徴などから、ご自身の体を評価していきましょう!
一つでもチェックが当てはまれば、そのタイプに該当します。タイプはどれか一つというわけではなく、いくつか当てはまる方もいるかもしれません。
①”疲れやすい” めまいタイプ
□耳鳴りがある
□動悸がある
□息切れがある
□食欲不振である
□軟便気味である
②”暴飲暴食” めまいタイプ
□頭痛がある
□嘔吐を伴う発作的なめまいがある
□暴飲暴食をしていた
□食後の眠気がひどい
□足の冷えが強い
③”消耗の激しい”めまいタイプ
□足に痛みや無力感がある
□忘れっぽい
□髪の毛が抜ける
□不眠気味である
□寝汗をかく
④”起こりっぽい” めまいタイプ
□のぼせ感がある
□肩こりがひどい
□イライラすることが多い
□胸や腹が張る
□便秘や下痢を繰り返している
①のタイプは、元々の消化機能が弱い体質、または疲労などにより体中のエネルギーである「気」や栄養である「血」が足りず、めまい症状を起こします。
②のタイプは、以前に暴飲暴食をしていた、またはしていることが引き金となり、消化機能が低下しています。そのため、必要ない水分等を体外へ流すことができず停滞して、めまい症状を引き起こします。
③のタイプは、加齢や過活動により、生命エネルギーを司どる「腎」の機能が低下します。腎は様々な器官に影響を与えていますが、その一つとしてめまい症状が引き起こされます。
④のタイプは、過度なストレスや怒りが頭の方に熱症状をもたらし、その一つとして、めまい症状が現れます。
ツボ押しでセルフケア!
あなたはどのタイプでしたか?
東洋医学では、出現している症状を一つの病気と断定するのではなく、様々なことを複合して考えていきます。
いくつも当てはまったため、自分の体の症状が悪いというわけではないので安心してください。大切なのは、自分の体の症状を理解し適切な処置をしていくことです。
それでは、それぞれのタイプに良いツボをご紹介していきます。
ツボは、1回に5秒間程度2~3回、押しやすい指で痛気持ち良い程度に押しましょう!
目安は、毎日1回。習慣化していくのがベストなので、朝起きたらベットの中で、お風呂を出た後に、など時間を決めて押してみてください。
①のタイプの方
◇中脘(ちゅうかん)
<位置>
おヘソとみぞおちを線で結んで、2等分した真ん中。
<効果>
胃腸の働き、自律神経を整える。
②のタイプの方
◇足三里(あしさんり)
<位置>
膝のお皿の下で、指4本分下がったところ。すねの骨の外側。
<効果>
消化機能の回復。
③のタイプの方
◇太谿(たいけい)
<位置>
内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ。
<効果>
泌尿器系や婦人科系の疾患に良い。老化や免疫力にも効果がある。
④のタイプの方
◇太衝(たいしょう)
<位置>
足の親指と人差し指の間を足首側に触っていくと、止まるところ。骨と骨の間。
<効果>
ストレスの解消に良い。眼精疲労や筋肉の疲労にも効果がある。
※出典
矢野忠(2014年)レディース鍼灸 医歯薬出版株式会社
中医学基礎理論
http://www.hal.msn.to/bensho_ronji/ben121.html
※イラスト引用(上から順番に記載)
https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=1245444&word=下着姿の黒髪女性の全身イラスト
https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=807136&word=脚%2C美脚%2Cエステ
https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=841879&word=足の甲%2C足の指