治りにくくなった「手荒れ」更年期と関係ある?

「更年期になって、手荒れがひどくなった」
「ケアしても、手のガサガサ・ひび割れがなかなか治らない」
治りにくい手荒れは年齢のせいだと思っていませんか?
更年期世代に多くみられる手荒れは、女性ホルモンの変動や生活要因が大きく関わっています。更年期に手が荒れやすい要因を知り、適切なケアをすれば、みずみずしく健康な手を取り戻すことができます。
今回は、更年期の手荒れが治りにくくなる理由と手荒れを防ぐ対策をご紹介します。
更年期に「手荒れが治りにくくなる」と感じる理由
更年期は、女性ホルモンの分泌が急激に減り、体や心に不調が起きやすい時期です。更年期障害で一番多いのは「疲労感」「肩こり」「ホットフラッシュ」ですが1、皮膚トラブルも更年期症状の一つ。更年期に手荒れが治りにくくなる理由には、以下のことが関わっています。
女性ホルモンの変動と皮膚バリア機能の変化
女性ホルモンの一つであるエストロゲンには、皮膚のうるおい成分を保ったり、ターンオーバーを促したりする働きがあります。そのため、更年期にエストロゲンの分泌が急激に減ってしまうと、皮膚が乾燥しやすくなってしまうのです。
女性ホルモンの減少により、皮脂の分泌も減っていきます。皮脂の役割は、皮膚をやわらかくしたり、皮膚表面にある水分の蒸発を防いだりすること。そのため、更年期には皮膚が硬く乾燥しやすくなるだけでなく、外部の刺激をガードするバリア機能まで低下してしまい、手荒れが起こりやすくなるのです。
自律神経の乱れと血行の悪化
更年期は女性ホルモンバランスの分泌が変動することで、自律神経のバランスも乱れやすくなります。
女性ホルモンを分泌するように指令を出している「脳の視床下部」は、自律神経の調整も担っています。自律神経にはさまざまな働きがありますが、その一つは体温や血圧を調整すること。そのため、自律神経のバランスが乱れてしまうと、血行不良が起きやすくなり、手荒れが治りにくくなってしまうのです。
更年期世代特有の生活要因
子育てや親の介護、仕事などを担う更年期世代では、生活要因も手荒れに関わっています。たとえば、避けては通れない炊事や洗濯などの水仕事によって、手はますます乾燥気味に。皮膚のバリア機能が低下しているため、洗剤による刺激やタオルの擦れといった物理的な刺激を受けやすくなります。
また、忙しい日々の中で蓄積するストレスや睡眠不足によって、自律神経の乱れや肌のターンオーバーが低下してしまうことも、手荒れを悪化させてしまう要因です。
人によって、手荒れがどんどん広がっていくのは、このような要因が複雑に絡み合っているのかもしれません。
「更年期の手荒れ」と間違えやすい皮膚トラブル
更年期の手荒れだと思っていたら、皮膚の病気だったということも少なくありません。手荒れと間違えやすい更年期の皮膚トラブルには、以下のようなものがあります。
手湿疹(主婦手湿疹、接触皮膚炎)
手湿疹とは、手指の乾燥から始まり、炎症が生じることによって赤みやかゆみ、ブツブツした湿疹、水ぶくれ(水疱)などが生じる状態です。
手湿疹は原因によって、いくつかの種類に分かれます。炊事や洗濯などの水仕事を多く行うことで湿疹が起こる状態を主婦手湿疹と呼んでいます。
それに対して、外部の刺激性物質やアレルゲンなどに触れることで湿疹が起こるのが接触皮膚炎(かぶれ)です。手湿疹を治すためには、原因となる刺激や物質に触れないようにすることが何よりも大切です。症状がひどい場合は、炎症を抑えるステロイド外用薬を用いる場合もあります。
水虫
水虫は白癬菌というカビが皮膚に感染して増殖することで起こる病気ですが、足や爪だけに起こるものではありません。手の水虫(手白癬)は、かゆみが出ることは少ないですが、手の皮膚が厚く硬くなったり、皮むけ・水ぶくれ・赤みなどが生じたりします。
手白癬の原因は、足の水虫を掻いたことによって感染するのが一般的です。手白癬の症状は手荒れと似ていますが、もともと足に水虫がある人は、自己判断せずに皮膚科で相談しましょう。
掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、手のひらや足の裏に膿がたまった小さな水ぶくれ(水疱)が繰り返しできる病気です。
くわしい原因はあまり解明されていませんが、喫煙や扁桃炎、歯周炎、金属アレルギー、ストレスなどがきっかけで発症することが多いと言われています2。症状を繰り返す慢性疾患のため、医療機関で専門的な治療を受けることが大切です。
更年期世代の手荒れ対策・セルフケア
手荒れが治らないからといって症状を我慢する必要はありません。手荒れを改善して、うるおいのある手を取り戻すためには、更年期世代の手荒れに合ったケアをすることが大切です。
保湿タイミング・回数の見直し
手荒れがなかなか治らないという人は、保湿する回数が足りていないのかもしれません。手荒れをよくするためには、ハンドクリームをこまめに塗って保湿することが基本です。
水仕事をした後は手が乾燥しやすくなるので、すぐに保湿するようにしましょう。意外と忘れやすいのが、外出先での保湿。トイレの後や、食事の前などに手を洗った時にも、保湿するようにしましょう。
保湿剤選び
こまめに保湿しても手荒れが治りにくいという人は、保湿剤を見直すタイミングかもしれません。
保湿剤にはさまざまな種類があります。更年期世代では、皮膚のうるおい成分が少なくなり、乾燥しがちなため、できるだけ保湿力の高い保湿剤を選びましょう。
また、製品によってはかゆみ止め成分や炎症を抑える成分、血行を促進するビタミンなどが含まれているものもあります。自分自身の手荒れの状態に合った製品を選ぶことで、症状をより早く改善できます。

手袋の活用(家事・就寝時)
摩擦や刺激から手を守るために、手袋を活用することも大切です。食器洗いやお風呂掃除などの水仕事では、ビニールやゴムの手袋をして、水や洗剤に触れないように保護しましょう。
夜寝る時は、ハンドクリームを多めに塗ってから綿の手袋をはめると、翌朝までじっくりと保湿できます。手袋をすることで布団などとの擦れを防ぐこともできるため、一日頑張った手をゆっくりと休息させてあげましょう。
受診の目安|こんな手荒れは医療機関で相談を
手荒れは重症化してしまうと、治るまでに時間を要することも少なくありません。また、誤った対処法をしてしまうと、悪化してしまうこともあります。次のような場合は、なるべく早めに皮膚科を受診しましょう。
- 強いかゆみ、痛みなどがあり、日常生活に支障が出ている
- ひび割れて出血する
- 水ぶくれ(水疱)がある・膿が出てじゅくじゅくしている
- 手荒れが広範囲にある、もしくはどんどん広がっている
- セルフケアをしても、手荒れがよくならない
体験談「年齢のせいだと思っていた手荒れ」
48歳の麻希さん(仮名)は、数年前から手荒れが治りにくくなったと感じていました。水仕事のあとに保湿をしても、指先の乾燥やひび割れが続き、「家事やってたら手が荒れても仕方ない」と我慢していたそうです。
ふと目にしたネット記事で、更年期のホルモンバランスや血流の変化が肌に影響することもあると知り、ケアの仕方を見直しました。手袋の使用や保湿のタイミングを意識するようになったところ、少しずつつらさが軽減。
「年齢のせいと決めつけず、体の変化として受け止められて気持ちが楽になりました」と話しています。
更年期の手荒れは「我慢し続けなくていい」
更年期の手荒れは、エストロゲンの分泌が減少することにより、皮膚が乾燥しやすく、バリア機能が低下してしまうことや生活要因などが関わっていることをお伝えしました。
女性ホルモンとともに変化していく皮膚の状態。手は、体の中でも刺激を受けやすく、毎日休むことなく働いている部分です。更年期に手を労わることは、体の変化を受け止め、自分自身を大切にすることにもつながります。
「年齢のせいだから、手荒れが治らなくても仕方ない」と諦めてしまう前に、セルフケアを見直して、うるおいのある手を取り戻しましょう。

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参考






