【更年期の胃痛】はなぜ起こる?病気との見分け方と対処法を解説!

「胃が痛い」のは更年期のせい?それとも病気のサイン?
  • URLをコピーしました!

更年期に入ってから、なんとなく胃が重い、みぞおちが痛む、食後にムカムカする……。

これらの症状は「ホルモンバランスの変化」によって起こっているのかもしれません。

更年期の胃痛は、エストロゲンの減少により自律神経が乱れ、胃酸の分泌異常や胃の運動機能低下が起こることが主な原因です。また、生活環境の変化によるストレスも症状を悪化させます。

この記事では、更年期の胃痛の原因や自律神経・女性ホルモンの関係、セルフケアの方法を詳しく解説します。

目次

【更年期の胃痛】3つの原因

更年期の胃痛は「たまたま胃の調子が悪いだけだろう」と見過ごしてしまいがちですが、実は女性ホルモンの変化や自律神経の乱れがかかわっています。

原因を正しく理解して、適切な対処法を見出しましょう。

1.女性ホルモンの低下

更年期を迎えると卵巣機能が衰え、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が急激に減少します。

エストロゲンの働きは、身体のリズムを自動で整える「自律神経」を安定させることです。

この自律神経は、身体を活動モードにする交感神経と、休息モードにする副交感神経の2つで成り立っています。

更年期でエストロゲンが減ると、この2つの切り替えが乱れやすくなり、胃の動きが弱くなったり、胃酸の分泌がアンバランスになったりします。その結果、胃の痛みが起こりやすくなるのです。

2.ストレス・生活習慣の影響

更年期は身体の変化だけでなく、生活環境の変化も重なりやすい時期です。子どもの独立や親の介護、仕事での責任の増加など、さまざまなライフイベントが心身に負担をかけます。

こうした精神的なストレスは、自律神経に直接影響を与え、胃腸の働きを乱します。

また、不眠や疲労感から食生活が乱れたり、運動不足になったりすることも、胃に負担をかける要因となります。

更年期特有のホルモン変化に加えて、こうした生活習慣の乱れが重なることで、胃痛が慢性化しやすくなるのです。

3.胃酸過多・胃の運動機能低下

自律神経のバランスが乱れると、胃酸の分泌が増えすぎる「胃酸過多」の状態になることがあります。胃酸が過剰に分泌されると、胃の粘膜が刺激され、みぞおちのあたりに焼けるような痛みや、空腹時の胃痛を感じやすくなるのです。

一方で、胃の運動機能が低下するケースもあります。胃が食べ物をうまく消化できず、食後に胃がもたれる、お腹が張る、少し食べただけで満腹感を感じるといった症状があらわれます。

このように更年期のホルモン変動による自律神経の乱れは、「胃酸が出すぎる」場合と「胃の動きが悪くなる」場合の両方のパターンを引き起こしますが、症状だけで何が起きているか判断するのは困難であることを覚えておきましょう。

「更年期の胃痛」と「病気」の見分け方

更年期による胃痛は一時的な不調としてあらわれることが多いですが、痛みが強かったり長く続いたりする場合は、胃腸の病気を疑う必要があります。

以下の表に、「更年期による胃痛」と「胃腸の病気」の違いをまとめました。

更年期による胃痛胃腸の病気
痛みの特徴ストレスや疲れによって波がある、軽いシクシク程度の痛みがある我慢できない痛みがある、夜中に痛む、食後すぐ痛む
症状の持続数日~1週間で落ち着くこともある数週間以上続く、徐々に悪化する
併発しやすい症状のぼせ・発汗・頭痛・不眠などの更年期症状吐血、黒い便、急な体重減少、食欲不振

胃腸の病気の特徴がみられる場合には、胃潰瘍、胃炎、逆流性食道炎、胃がんなどの可能性が考えられます。また、はっきりと見分けるのは難しいケースもあります。心配な場合は、内科や消化器内科を受診するようにしましょう。

どう乗り越える?更年期の胃痛の対処法

更年期の胃痛は、日々の生活習慣を少し見直すだけでも改善することがあります。紹介する対処法を参考に、無理なく続けられるものから取り入れてみてください。

食事内容と生活リズムを見直す

胃に優しい食生活を心がけることは、更年期の胃痛をやわらげる基本的な対策のひとつです。

おかゆやうどん、白身魚、豆腐、卵など、消化に良い食材を選び、脂っこい食事やからいもの、カフェイン、アルコールなどは控えめにしましょう。

食事は1日3食を規則正しく摂り、一口ずつよく噛んでゆっくり食べることを意識してください。

また、睡眠時間を確保し、毎日同じ時間に寝起きする習慣をつけることも大切です。体内リズムが整い、胃腸の調子が安定しやすくなります。

以下の記事では、ホルモンバランスが整いやすい食事を紹介しています。胃の調子だけでなく、更年期を食事から見直してみようかなと思った方は、ぜひ参考にしてください。

ストレスをためない・リラックス習慣を持つ

ストレスは胃酸の分泌を乱し、胃の粘膜を弱らせる要因です。

深呼吸やストレッチ、ヨガなどを日常に取り入れ、副交感神経を優位にすることで胃腸の働きが促されます。お風呂にゆっくり浸かる、好きな音楽を聴く、家族や友人に悩みを話す、ウォーキングなども、ストレス解消と自律神経のバランス調整が期待できるため、おすすめです。

毎日5分でも自分のためのリラックス時間を確保することが、長期的な胃痛改善につながります。完璧を求めず、できる範囲で習慣化することから始めてみましょう。

市販薬・漢方薬・サプリメントを活用する

症状が気になるときは、市販の胃薬や漢方薬を活用するのも一つの方法です。

胃酸が出すぎてムカムカする場合には胃酸をおさえる「制酸薬、食べすぎや胃の動きがゆっくりになることで起こる胃もたれには消化を助ける「消化酵素薬」が市販されています。

漢方の場合、「六君子湯(りっくんしんとう)」「四君子湯(しくんしとう)」「安中散(あんちゅうさん)」などが更年期の胃の不調によく用いられます。漢方は体質に合ったものを使うことが重要なので、薬剤師などに相談して選びましょう。

エクオールや大豆イソフラボン、ビタミンB群といったサプリメントも、更年期症状全般をサポートするため、基本的な食事に加えて活用するのも良いでしょう。

ただし、胃痛の症状が続く場合や悪化する場合は、自己判断せず医療機関を受診するようにしてください。

更年期の胃痛に関するよくある質問

更年期の胃痛について、多くの方が疑問に思うことをまとめました。より詳しい知識を得て、不安を軽減するのにご活用ください。

Q.更年期は吐き気や下痢などの症状もあらわれますか?

更年期には胃痛以外にも、吐き気、下痢、便秘、お腹の張りなど、さまざまな消化器症状があらわれることがあります。

これらも自律神経の乱れが原因で起こることが多く、腸の動きが過敏になったり、逆に鈍くなったりすることで症状が出ます。とくに、ストレスが強いときや疲れているときに症状が悪化しやすい傾向です。

症状が長引く場合や日常生活に支障をきたす場合は、過敏性腸症候群といった胃腸の病気の可能性もあるため、消化器内科や一般内科への受診をおすすめします。

Q.更年期の胃痛はいつまで続きますか?

更年期の胃痛の期間には個人差がありますが、一般的に更年期症状は閉経前後の5〜10年程度続くとされています。

ただし、胃痛などの消化器症状は、ホルモンバランスが安定してくる閉経後数年で落ち着いてくることもあります。生活習慣の改善やストレスケア、適切な治療によって症状を軽減できる可能性もあるため、「いつか終わるから」と我慢するのではなく、早めに対処することが大切です。

症状がつらいときは、婦人科や更年期外来で相談することで、ホルモン補充療法や漢方薬などの治療を受けることも可能です。一人で抱え込まず、専門家に相談してみましょう。

胃の不調は体からのサイン!整えることから始めよう

更年期の胃痛は、ホルモンバランスの変化、自律神経の乱れ、ストレスや生活習慣の影響など、さまざまな要因が重なって起こります。だからこそ、身体からのサインとして受け止め、丁寧に向き合うことが大切です。

まずは食事や睡眠、リラックスの時間を見直すことから始めてみましょう。小さな習慣の積み重ねが、胃の調子だけでなく、更年期全体の過ごしやすさにつながります。

「これくらいなら我慢できる」と無理をせず、気になる症状があれば早めに専門家に相談してください。

更年期は誰もが通る道ですが、一人ひとり症状も対処法も違います。自分に合った方法を見つけて、心地よく過ごせる毎日を取り戻していきましょう。

「胃が痛い」のは更年期のせい?それとも病気のサイン?

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

「TRULY」LINE公式アカウント

女医や専門家による正しい情報を配信中!

この記事を書いた人

榎本なつみのアバター 榎本なつみ 【看護師・保健師】

総合病院のCCU・ICUでの経験を通じて、命を支える医療とともに、家族看護の大切さを学ぶ。退職後は訪問看護師として地域に根ざしたケアで利用者や家族をサポートしている。

自身が性に悩んだ過去や、更年期に苦しむ家族を目の当たりにした経験から、フェムテック分野に強い関心を抱くようになる。ライターとして、同じ悩みを抱える方々に向けて情報を発信し、自分のからだを大切にするための知識を広めることに力を注ぐ。

このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。

<専門家の皆様へ>
病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。

目次