女性のための鍼灸師が教える!〜不眠編〜あなたはどのタイプ?

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「東洋医学の観点から更年期に向き合うシリーズ」の今回のテーマは、「不眠」です。

「寝付きが悪い」「夜中に何度も目が覚める」「ぐっすり寝た感じがない」など、不眠の症状には様々な特徴があります。

慢性的な不眠は、QOL(Quarity of life(生活の質))の低下をきたすだけでなく、心身の健康にも大きな影響を与えます。不眠症が慢性的に1年以上続くと、うつ病になる危険性が高まるとの報告もあります。

今回は、不眠について自分でできるケアを、東洋医学の視点からお話ししていきます。

目次

精神神経症状編 ~不眠~

更年期症状は多岐に渡りますが、その中でも「不眠」は、多くの方が悩んでいる症状です。

エストロゲンという女性ホルモンの急激な低下は、自律神経の調節を司る脳の機能に影響します。そのため、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで、不眠の症状へとつながります。

不眠のタイプには、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒があります。そのいずれか、または複数に加えて、日中の倦怠感や疲労感がある場合、不眠症の可能性があります。

不眠の原因として、大きくこちらの5つがあげられます。

①身体的な問題(頭痛、皮膚の掻痒感、夜間頻尿、咳など)

②生理学的な問題(光、騒音、不快な温度、旅行等の環境要因、生活習慣など)

③薬理学的な問題(薬物の副作用など)

④心理的な問題(ストレス、緊張など)

⑤精神障害(うつ病、統合失調症、不安障害など)

その他にも、睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグ症候群といった、自身の身体に原因が存在するものもあります。

まずは、5つの原因の中で自身に当てはまるものがあれば、取り除いていくことが大切です。その上で、あまり改善が見られない場合は、専門医を受診しましょう。

東洋医学でいう「不眠」とは?

「不眠」は、東洋医学においては「不寝」や「失眠」などと言います。これらは現代の不眠と同じく、常に睡眠が不足している、すぐに目が覚めてなかなか眠れない、夜通し眠れない、と言った症状を指します。

そして東洋医学では、不眠は陰と陽のバランスが崩れることにより発症すると考えられています。

陰と陽とは、宇宙のあらゆるものを二つのカテゴリ分類する考え方です。人間のリズムとして例えると、昼間は陽が旺盛になり、夜間には陰が旺盛になります。しかし、何らかの原因で夜間に陽が旺盛になってしまうと、結果として不眠が生じると考えられています。

あなたはどのタイプ?

不眠という症状に加え、その他の特徴などから、ご自身の体を評価していきましょう!

一つでもチェックが当てはまれば、そのタイプに該当します。タイプはどちらか一つというわけではなく、両方とも当てはまる方もいるかもしれません。

①”怒りっぽい” 不眠タイプ

□怒りいっぽい方である

□頭痛がある

□めまいがある

□顔面が紅潮しやすい

□目の疲れがある

②”働き過ぎ” 不眠タイプ

□胸のあたりがモヤッとする

□動悸がある

□忘れっぽい

□足腰がだるい

□寝汗をかく

③”悩み過ぎ” 不眠タイプ

□疲労感が強い

□軟便気味である

□悩み過ぎる傾向がある

□食欲不振である

□痣ができやすい

①のタイプは、悩みやストレスなどが強く、体中のエネルギーとして巡っている「気」が滞っている状態です。滞った「気」は、体の中で悪さをしていきます。その症状の一つが、入眠困難や眠りが浅く夢を見やすいと言った症状です。

②のタイプは、五臓の中の「心」と「腎」のバランスが崩れている状態です。「心」は火の要素があり、「腎」には水の要素があります。火と水は、お互いに抑え合いながら作用すると考えられているので、バランスが重要です。

しかしこのタイプの方は、このバランスが崩れるため、頭の方に熱が上り、足腰は冷える状態となり不眠などの症状が出てきます。

③のタイプは、過度に悩むことが多い性格に加え、消化機能も低下することにより、体に必要なエネルギーの「気」も栄養素となる「血」も低下して、身体のバランスが崩れ不眠が起こります。

ツボ押しでセルフケア!

あなたはどのタイプでしたか?

東洋医学では、出現している症状を一つの病気と断定するのではなく、様々なことを複合して考えていきます。二つとも当てはまったため、自分の体の症状が悪いというわけではないので安心してください。大切なのは、自分の体の症状を理解し適切な処置をしていくことです。

それでは、それぞれのタイプに良いツボをご紹介していきます。

ツボは、1回に5秒間程度2~3回、押しやすい指で痛気持ち良い程度に押しましょう!

目安は、毎日1回。習慣化していくのがベストなので、朝起きたらベットの中で、お風呂を出た後に、など時間を決めて押してみてください。

①のタイプの方

◇百会(ひゃくえ)

<位置>

頭頂部。両耳を結んだ頭のてっぺんにある。

<効果>

自律神経を整える働きがある。またリラックス効果がある。

②のタイプの方

◇太谿(たいけい)

<位置>

内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ。

<効果>

泌尿器系や婦人科系の疾患に良い。老化や免疫力にも効果がある。

③のタイプの方

◇足三里(あしさんり)

<位置>

膝のお皿の下で、指4本分下がったところ。すねの骨の外側。

<効果>

消化機能の回復。

東洋医学的な視点であなたの更年期度がチェックできます!

「あなたの「更年期度」をチェック(東洋医学版)」で、あなたの更年期どがチェックできます。

更年期と言っても、様々な症状があり、人によってタイプは様々です。

東洋医学の大切な三要素である「気血水」。どれが少なくても、また滞ったり多くても、体にとって悪い方に作用します。是非、セルフチェックを使って、自分の症状のタイプを確認してみてください。

※出典

矢野忠(2014年)レディース鍼灸 医歯薬出版株式会社

中医学基礎理論

http://www.hal.msn.to/bensho_ronji/ben121.html

※イラスト引用(上から順番に記載)

https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=1762848&word=お肌のお手入れ_B&searchId=842668371#

https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=807136&word=脚%2C美脚%2Cエステ

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この記事を書いた人

淺田麻希のアバター 淺田麻希 鍼灸師

「かかりつけ鍼灸師 for woman」代表として、女性特有の自律神経やホルモンバランスによる不調に特化して施術。自身も国内航空会社にてCA時代に、自律神経失調性の様々な体の不調を経験。その時出会った鍼灸にて、改善したことをきっかけに、家庭で社会で活躍する女性を健康面で支えると決意。施術だけでなく、お灸セルフ講座や、東洋医学的視点での体の不調などを学べるセミナーを開催している。

このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法や専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません。

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